研究情報

研究成果『試行技術』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「試行技術」の研究内容とその成果をご紹介します。

果樹 平成20年(2008年)果樹試(栽培部)南信試(栽培部)

りんご「シナノゴールド」は積算温度により適熟期を把握できる

りんご「シナノゴールド」の果実の成熟は積算温度と高い相関があり、標高 500m程度までの低標高地域では、 8 月 21 日以降の日平均気温の積算がおよそ 1100℃以上で適熟期になる。

作物 平成20年(2008年)中信試(畑作育種部)、農業技術課(専技)

だいず「ななほまれ」(東山205号)は機能性蛋白質に富む大豆品種である

だいず「ななほまれ」(東山205号)は、機能性の高い蛋白質β-コングリシニンを多く含有する新しい形質の品種である。「ナカセンナリ」よりやや晩熟な晩生種で、収量と品質は「ナカセンナリ」並、紫斑病とうどんこ病に抵抗性である。

作物 平成20年(2008年)中信試(畑作育種部)、農業技術課(専技)

そば「タチアカネ」(桔梗3号)は耐倒伏性に優れるそば品種である

そば「タチアカネ」(桔梗3号)は「信濃1号」と比較して耐倒伏性とゆで麺の色の評価に優れる。生態型は中間秋型で収量性は「信濃1号」と同等である。また、乳熟期に赤果皮となる個体が多い。今年度認定品種に採用された。

作物 平成20年(2008年)農事試(育種部)

小麦「ゆめかおり」(東山42号)は製パン性、耐病性が優れる硬質小麦品種である

小麦「ゆめかおり」(東山42号)は中生の硬質小麦で、「ユメアサヒ」と同等に製パン性に優れる。「ユメアサヒ」よりコムギ縞萎縮病・赤さび病を始め諸病害に強く、耐倒伏性に優れる。

作物 平成20年(2008年)農事試(作物部)、農業技術課(専技)

水稲移植栽培において15株/㎡(50株/坪)までの栽植密度低減は慣行並みの収量を確保できる

低暖地でのコシヒカリ移植栽培において、栽植密度を 15 株/㎡(株間 22cm、50 株/坪)まで低減しても慣行並みの収量を安定的に確保できる。

果樹 平成20年(2008年)南信試(栽培部)

干し柿「市田柿」の製造にはへた周囲の果皮が橙色となった果実を使用する

へた周囲の果皮色が十分に橙色とならない果実から製造した干し柿は、干し柿の表面に生成する白い粉が消失(以下「戻り」)したり、果肉が黒ずむ。へた周囲の果皮色が十分に橙色とならない果実は、追熟した後に干し柿にしても「戻り」が起こるため、干し柿の製造には樹上で橙色となった果実を用いる必要がある。へた周囲の果皮が橙色の果実の収穫および収穫した果実の選別には、市田柿原料果実色見本(長野県南信農業試験場試作)を用いる。

果樹・病害虫 平成19年(2007年)果樹試・病害虫土壌肥料、農業技術課・専技、上小・松本普及センター

ブドウ晩腐病に対する耕種的防除対策として伝染源のせん除を徹底し、袋掛け、笠掛けを早期に行う

ブドウ晩腐病の耕種的防除法として有袋栽培品種では袋かけを早期に行う。袋かけによる効果は直前の殺菌剤散布から短期間で行うほど高い。醸造用品種など無袋栽培品種では6月下旬~7月上旬頃までに笠かけを行う。また、慣行防除の効果を確実にするためには巻きひげ、前年の穂軸、副梢といった伝染源のせん除を徹底する。

畜産 平成19年(2007年)中信試・畑作育種、畜試・飼料環境

飼料用とうもろこし「34B39」、「セシリア」は晩播適性が高い

飼料用とうもろこし「34B39」および「セシリア」は 6 月下旬播種栽培において実用的な水準の乾物収量、乾雌穂重割合および総体乾物率が確保できる、晩播適性の高い品種である。

果樹 平成19年(2007年)果樹試・栽培

ぶどう「サニールージュ」の花穂に対する展葉5枚期のジベレリン液散布は、果房伸長の促進に有効であり、これに伴い着粒密度が低下する

ぶどう「サニールージュ」の花穂に対して、展葉5枚期にジベレリン5ppm液を散布することにより、果房伸長が促進される。これに伴い着粒密度が低下する。

果樹 平成19年(2007年)果樹試・栽培

ぶどう「サニールージュ」は早生の中粒(6g前後)品種であり、労力分散に有効な品種である

ぶどう「サニールージュ」は8月下旬に成熟期を迎える中粒(6g前後)の紫赤色品種であり、「巨峰」の前に収穫が完了することから、収穫労力の分散に有効な早生品種である。

果樹 平成19年(2007年)南信試・栽培

日本なし「あきづき」の適熟果は色相・果点を利用した収穫指標の「2」で収穫できる

日本なし「あきづき」の適熟果は色相・果点を利用した収穫指標の「2」で収穫できる。収穫指標「2」の果実は、果実の下側を観察したときに、ていあとその周囲には緑色が残り果点が明瞭に観察できるが、赤道部付近は茶色となり果点が不明瞭となった果実である。

果樹 平成19年(2007年)果樹試・栽培

りんご「シナノゴールド」の高標高地産の完熟でも酸味の強い果実は、冷蔵により酸度が減少し食味が向上する

高標高地産のりんご「シナノゴールド」は、果皮が充分に黄色くなった完熟状態で収穫しても、酸度が高く酸味が強いため即売は難しいが、これを1~1.5ヶ月程度冷蔵することで、酸度が低下するため適度な糖酸比となり食味を向上する事ができる。

作物・土壌肥料・その他 平成19年(2007年)大地くん開発委員会  (農業技術課、農総試・環境保全・経営情報、農事試・病虫土肥、果樹試・病虫土肥、野花試・佐久支場、中信試・畑作栽培)

土壌診断施肥診断システム「大地くん」Ver.3.1の開発

土壌診断施肥診断システム「大地くん」Ver.3.1は、データベースソフトMicrosoft Accessを基本ソフトとしてWindows2000以降のOSにも対応でき、これまでの土壌診断機能も加味して窒素、りん酸、加里の施肥設計が可能である。

野菜・花き・きのこ・病害虫 平成18年(2006年)南信試・病虫土肥部

いちご栽培における天敵利用害虫防除(減化学農薬)マニュアル

いちご栽培における減化学農薬を目指した天敵利用害虫防除マニュアルを一般農家向けに作成した。一部に未普及技術も含まれており、今後、逐次改訂する予定である。

野菜・花き・きのこ・病害虫 平成18年(2006年)野花試・佐久支場

紫外線除去フィルムの利用によるレタス育苗施設におけるナモグリバエの防除効果

レタスの育苗ハウスの外張りに紫外線除去フィルムを利用した場合、苗におけるナモグリバエ被害が軽減される。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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