研究情報

研究成果『試行技術』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「試行技術」の研究内容とその成果をご紹介します。

野菜・花き・きのこ・土壌肥料 令和2年(2020年度)野菜花き試験場環境部、佐久・松本農業農村支援センター

可給態りん酸量が70mg/100g以上あれば春まきハクサイのりん酸施肥量を全量削減できる

春まきハクサイの黒ボク土栽培ほ場において、可給態りん酸量が70mg/100g以上あれば、りん酸肥料を全く施用しなくても、基準量を施用した場合と同等の収量が得られる

畜産 令和2年(2020年度)畜産試験場酪農肉用牛部

簡易TMR自動給餌機は繋ぎ飼い乳牛舎において夜間にTMRを自動給餌できる

繋ぎ飼い乳牛舎において夜間にTMRを自動給餌できる簡易TMR自動給餌機を考案し試作した。この給餌機を用いると分娩前の乳牛に昼間分娩割合の増加を目的とした夜間給餌を無人でおこなうことができ、飼養管理が省力化される。

野菜・花き・きのこ・病害虫 令和2年(2020年度)野菜花き試験場菌茸部

エノキタケ栽培施設における黒腐細菌病の調査方法及び同病菌選択培地の開発

エノキタケ栽培施設等から黒腐細菌病菌(Pseudomonas tolaasii)を検出するための新規選択培地TSM10を開発した。従来利用されてきた改変T-PAF培地と比較して、黒腐細菌病菌に対する選択性や平板効率に優れ、同病菌を効果的に検出できる。

野菜・花き・きのこ・病害虫 令和2年(2020年度)野菜花き試験場菌茸部

エノキタケ・ブナシメジ栽培施設における害菌の調査方法及びわたかび病菌選択培地の開発

エノキタケやブナシメジに発生する糸状菌による害菌は、改変ローズベンガル・クロラムフェニコール培地を用いることで被害株や栽培施設から検出できる。とりわけ検出が困難であるわたかび病菌に対しては、新規選択培地RM3を開発した。RM3培地を用いることで、栽培ビンや施設から、わたかび病菌を効果的に検出できる。

野菜・花き・きのこ 令和2年(2020年度)野菜花き試験場花き部

夏秋切りカーネーションにおける定植後のEOD昇温処理と高温期のEOD冷房処理の組合せによる生産性向上技術

1月定植のカーネーション夏秋切り作型において、定植後から3~4月まで日没後4時間・15~20℃の昇温を行うことにより、1番花の開花は促進する。高温期のヒートポンプ利用によるEOD冷房処理との組合せにより2番花の品質が向上し、切り花本数が増加する

野菜・花き・きのこ 令和2年(2020年度)野菜花き試験場野菜部

きゅうりハウス雨よけ(夏秋どり)栽培の有機培地による養液栽培適応性と仕立て方法

きゅうりのハウス雨よけ(夏秋どり)栽培では有機培地を用いたハンモックベンチ吸い戻し式養液栽培の適応性が高く、仕立て方法は子づる4本つる下ろしが適し、1a当たり換算で1.9~2.2t程度の上物収量が得られる。

野菜・花き・きのこ 令和2年(2020年度)野菜花き試験場野菜部

トマト夏秋どり作型における高温対策技術

トマト夏秋どり作型の効果的な高温対策技術として、ハウス内の昇温抑制には細霧冷房が有効であり、草勢維持には強勢台木への接ぎ木が有効である。2つの技術を組み合わせることで、可販収量とA品果率が向上し、特に9月以降の増収効果が高い。

作物 令和2年(2020年度)農業技術課、農業試験場作物部

大小麦の登熟積算気温を用いた成熟期予測技術

県内の主要な大麦3品種、小麦5品種の成熟期は、出穂後の日平均気温を用いた積算気温により予測できる。

畜産 令和2年(2020年度)畜産試験場酪農肉用牛部

飼料用イネ「たちすずか」ホールクロップサイレージをソルガムサイレージ混合発酵TMRもしくは分離給与で泌乳中後期牛へ乾物中20~25%程度給与することが可能である

高糖分高消化性イネ「たちすずか」ホールクロップサイレージを輸入チモシー乾草の代替として泌乳中後期牛に給与する場合、ソルガムサイレージも併用した発酵TMRもしくは分離給与で乾物中20~25%程度給与することが可能である。

作物 令和2年(2020年度)農業試験場育種部・作物部、農業技術課

小麦「東山55号」は、日本めん用中力小麦で生めんの経時後の色相劣化が小さい有望系統である

小麦「東山55号」は、「ゆめきらり」より生麺の経時後の色相劣化が小さく、赤さび病やうどんこ病の抵抗性がより優れる有望系統である。

作物 令和2年(2020年度)農業試験場育種部・作物部、農業技術課

小麦「東山53号」は、中華麺用超強力小麦で栽培性に優れた有望系統である

小麦「東山53号」は、「ハナマンテン」より耐寒・耐雪性に優れ、播性を有し、越冬性が高い。多収で赤さび病やうどんこ病の抵抗性もより優れる有望系統である。

野菜・花き・きのこ・土壌肥料 令和元年(2019年)野菜花き試験場環境部、農業技術課

土壌の可給態窒素を考慮したはくさいの窒素適正施肥技術

可給態窒素量を「可給態窒素施肥算出シート(Ver5.1)」に入力して得られた推奨窒素施肥量は本県はくさいの窒素適正施肥量として利用できる

野菜・花き・きのこ・土壌肥料 令和元年(2019年)野菜花き試験場環境部

ソルガム導入による土壌物理性改善と後作レタス栽培での窒素減肥  

ソルガムを春レタス栽培終了後に播種し5~6週ですき込むことにより、レタスの短期輪作体系化が可能となり、土壌の物理性改善効果も得られる。この体系では後作レタスの基肥窒素量が50%程度削減できる

畜産 令和元年(2019年)畜産試験場酪農肉用牛部

特別な器材や技術を必要としないプロテアーゼ処理は牛受精卵の孵化率向上が期待できる

Bランク受精卵を1%プロテアーゼ液に1分浸漬すると、孵化率向上が期待でき、凍結融解後に移植した際、受胎率向上も期待できる。

野菜・花き・きのこ 令和元年(2019年)野菜花き試験場花き部

夏季(7月~9月)日没後4時間18℃の夜間冷房処理は、夏秋切りカーネーションの2次側枝(2番花)の切り花品質向上に有効である

12~1月定植のカーネーション夏秋切り作型の2次側枝の品質向上に、ヒートポンプ(以下EHP)による夜間冷房が有効で、7月~9月に日没後(以下EOD:End-Of-Dayの略)4時間・18℃の夜間冷房を行うことにより、切り花重や茎径が増加し切り花品質向上に有効である。

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