研究情報

研究成果『果樹』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「果樹」の研究内容とその成果をご紹介します。

技術情報 令和5年(2023年度)南信農業試験場栽培部

日本なし「南水」苗木のジョイントV字トレリス樹形栽培本ぽ定植育成時の切り返し位置及び被覆尿素を用いた省力施肥法

樹間150cm、主枝配枝高90cmのジョイントV字トレリス樹形用の日本なし「南水」の苗木を本ぽ育成する場合、定植時の地上部長が概ね130cm以下の苗木は、40cm付近で切り返し、翌年8月まで育成することで曲げ込み可能な280cm以上の苗木が得られる。また、定植当年及び2年目の生育初期にリニア型50日タイプの被覆尿素(LPコート50)を、苗木を中心に直径約50cmの円形内に施肥することにより、生育期間中に行う定期的な施肥を省略できる。

技術情報 令和5年(2023年度)南信農業試験場栽培部

日本なし「南水」のジョイントV字トレリス樹形栽培におけるジョイント後4~6年目の作業性

日本なし「南水」ジョイントV字トレリス樹形栽培におけるジョイント後4~6年目の管理作業は、平棚ジョイント栽培と比較して、人工受粉、せん定で省力化が可能である。姿勢はほぼ全ての作業で改善され、特に上腕や首等上半身への負担軽減が期待できる。

技術情報 令和5年(2023年度)南信農業試験場栽培部

日本なし「南水」のジョイントV字トレリス樹形栽培における若木期の栽植距離別の樹体特性

日本なし「南水」のジョイントV字トレリス樹形樹(若木期)は、2.0m以上の栽植距離では充実した側枝の育成が困難である。早期の結実と樹冠拡大は可能であるが、小玉傾向で初期の生産性は低いと考えられる。

技術情報 令和5年(2023年度)果樹試験場環境部・栽培部、長野農業農村支援センター

りんご「シナノリップ」M.9台木樹の凍害枯死に及ぼす土壌物理性と樹勢の影響

りんご「シナノリップ」M.9台木樹の凍害枯死は土壌の固相率が45%以上かつ樹勢が弱い園地で多い。

技術情報 令和5年(2023年度)果樹試験場育種部

りんご「錦秋」の品種特性

りんご「錦秋」は「シナノドルチェ」に比べ、10日程度遅い9月中旬(須坂市)に成熟期を迎える中生のりんご品種である。果皮は濃赤色に全面着色する。果実重は300g程度、糖度は15%程度、酸含量は0.3g/100ml程度である。

試行技術 令和5年(2023年度)果樹試験場栽培部

りんごの1年生フェザー苗木の育成に再養成台木を利用すると良質な苗木が生産できる

りんご「ふじ」のフェザー苗木を1年で育成する場合、取り木後1年間養成した再養成台木を利用すると、初期の新梢生育が旺盛で、5~50cmのフェザーが10本以上の良質な苗木が多く生産できる。

普及技術 令和4年(2022年度)果樹試験場栽培部・育種部・環境部、長野・北信農業農村支援センター

日本すもも「シナノパール」の果肉褐変の発生は新梢管理により軽減できる

日本すもも「シナノパール」の果肉褐変は、梅雨明けから8月の中下旬に発生する生理障害と考えられる。この障害は、新梢管理(芽かき、摘心、徒長枝のせん除)により軽減ができる。

試行技術 令和4年(2022年度)南信農業試験場栽培部

日本なし「幸水」に対する根域施肥と表面局所施肥の組み合わせによる慣行施肥の50%減肥技術

日本なし「幸水」成木樹に対し、2月下旬に圧縮空気噴射式土壌改良機を用いて、慣行施肥における基肥と3~5月追肥の合計分の50%量の窒素を、緩効性窒素肥料で主幹から2m離れた周囲に等間隔で8か所、深さ30~40cmに打ち込む(根域施肥)。その後、6月下旬及び収穫後に慣行施肥の50%量の窒素を速効性窒素肥料で主幹の周囲に環状に表面局所施肥する。この施肥方法を5年間継続しても、生育、収量及び果実品質は慣行施肥と同等に維持できる。

試行技術 令和4年(2022年度)果樹試験場栽培部

平棚仕立て栽培の日本すもも「シナノパール」は休眠枝接ぎにより側枝更新ができる

平棚仕立て栽培の日本すもも「シナノパール」は、枝齢が進むほど基部に葉や花が着生しない"はげ上がり"の状態になりやすく、生産性が大幅に低下する。対策として、休眠枝接ぎを行うことで側枝更新ができる。なお、この側枝の利用年数を延長させるためには、摘心処理の実施が有効である。

技術情報 令和4年(2022年度)南信農業試験場栽培部

低樹高栽培のかき「市田柿」における年間窒素施肥量

低樹高栽培のかき「市田柿」において、現行の県窒素施肥基準量の30%減となる15.4kg/10aで栽培を継続しても、樹体生育や果実収量・品質は、現行の県窒素施肥基準量で栽培した場合と同等である。

技術情報 令和4年(2022年度)

日本なし「南水」樹体ジョイント仕立て栽培における主枝直下への帯状局所施肥による慣行施肥の30%減肥栽培

日本なし「南水」樹体ジョイント仕立て栽培において、3月下旬にリニア型40日タイプの被覆尿素を、また収穫後の9月下旬には速効性窒素を主枝配枝直下に1mの幅で帯状に局所施肥(帯状局所施肥)すると、全面施肥の地域慣行より30%減肥しても同等の収量、品質が得られる。

技術情報 令和4年(2022年度)野菜花き試験場環境部

水田転換畑の耕うん適期を見分けるための適切な土壌水分

水田転換畑の砕土率を高める含水率は、多湿黒ボク土で約35%以下、灰色低地土では約20%以下であり、手で握った時の土塊の崩れやすさで耕うん適期を診断できる。

技術情報 令和4年(2022年度)果樹試験場栽培部

もも「なつっこ」の払子台木樹及びひだ国府紅しだれ台木樹の樹体生育と果実生産性

もも「なつっこ」の払子台木樹及びひだ国府紅しだれ台木樹は、おはつもも台木樹と比べて樹体枯死が少ない。また、もも「なつっこ」の払子台木樹は、ひだ国府紅しだれ台木樹と比べて樹体が大きく、1樹当たりの収量及び樹冠面積当たりの収量は多い。

技術情報 令和4年(2022年度)果樹試験場栽培部

適熟期に収穫したぶどう「シャインマスカット」の冷蔵90日後の果実品質

ぶどう「シャインマスカット」にフレッシュホルダーを装着して90日間程度冷蔵した場合、適熟果では果実品質の低下がほとんどなく、過熟果では腐敗や果粒軟化の発生による品質低下が認められる。一方、フレッシュホルダーを装着しない場合は適熟果であっても果粒軟化や穂軸褐変が発生する。

技術情報 令和4年(2022年度)

ぶどう「クイーンルージュⓇ」の除袋及びアルミ反射シートによる着色向上

※この技術情報の提供は、長野県内の生産者に限定しています。詳細は試験場又はお近くの農業農村支援センターにお問い合わせ下さい。

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