研究情報

研究成果『作物』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「作物」の研究内容とその成果をご紹介します。

試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)中信農業試験場

そばの根の分布

ソバは痩せ地でもよくできることから、古くから火山灰土畑地帯で作付けが行われてきた。しかし、収量は 10a あたり 100kg 程度と低く作柄が不安定なことから、経済作物としての地位はあまり高くない。ところが近年、ソバは、健康食ブームや地域活性化の動きの中で、その中心的な作物として位置づけられるようになり、安定多収に向けた品種選定や栽培法の改善に関心が高まってきた。そこで、本研究では、ソバを標準的な栽培法で春夏の 2 回栽培し、根の長さおよび分布について調べ、今後の安定多収技術開発のための基礎データを得ようとした。

試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)農業総合試験場 農事試験場

10条代かき同時土中点播機は8条型に比べ1.5倍に作業能率が上がった

平成10年度に普及に移した「代かき同時土中点播機(通称:ショットガン直播機)」は作業幅が2.4mの8条型であったが実際の作業に際しては作業能率の高い10条型が主流となる。10条型代かき同時土中点播機の作業能率が明かとなったので、播種作業計画立案の参考資料として活用する。

試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)農業総合試験場

パイプハウスビニール裾自動開閉装置は水稲育苗作業の省力化に有効である

ビニールハウスを利用した水稲育苗において、生育適温を保つための朝の裾ビニールまくりと夕方の裾おろしは欠かすことのできない作業である。この作業は軽作業ではあるものの育苗期間中毎日行う必要があるため精神的な負担も大きい。ビニール育苗ハウスの裾まくりを自動化することで育苗作業の省力化を図る。

試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)農業総合試験場 農事試験場

水稲乾田不耕起直播の研究・開発方向として実現性の高いのは部分耕不耕起直播方式である

低コスト稲作栽培技術における一つの最終到達点が「水稲不耕起直播栽培技術」である不耕起直播機開発の方向性を定め、より効率よく技術開発を進める。

試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)農業総合試験場

高性能無人ヘリコプターRPH2は有人ヘリコプターの代替として水稲の液剤少量散布防除作業に利用できる

水稲栽培における病害虫防除は動力噴霧機による地上散布や有人ヘリコプターによる航空散布が中心であったが、近年は栽培者の高齢化や宅地化が進み徐々に産業用無人ヘリコプター(以下RCヘリコプターと略)の利用が増えている。しかし、RCヘリコプターは手軽ではあるものの農薬など資材の搭載量が少ないため頻繁に離着陸する必要がありオペレータの負担が大きい。平成10年度より「無人ヘリコプター利用技術指導指針」に加えられた高性能無人ヘリコプター(RPH2)による水稲液剤少量散布技術の普及を図り、水稲防除作業の省力化に貢献する。

試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)農事試験場 農業総合試験場

高冷地における水田自動水位コントローラ(水口管理機)「深水番人」を用いた効率的水管理法

気象条件の厳しい高冷地において発生が多い水稲障害型冷害の軽減化を図る。

試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)農事試験場

「信交488号」・「信交485号」・「あきたこまち」の冷害危険期を示す生育ステージの予測

県内主要早生品種について、冷害危険期の指標となる幼穂形成期、葉耳間長0、出穂期をDVRモデルを用いて推定し、冷害回避技術を効率的に適用する。

試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)農事試験場

簡易温水田による水稲生育促進技術

かつて、高冷地水田において本格的な温水田が生育促進、冷害回避の技術として取り入れられていたが、労働力不足、高齢化の進行でほとんど設置がみられなくなり、平成5年冷害の反省から溜め池の効果が見直された。このため、水張り調整水田などを用いた簡易な温水田を設置し水稲の生育促進により冷害回避を行う。

普及技術 平成11年(1999年)農事試験場

水田施用稲藁の腐熟促進に石灰窒素を施用した場合には施肥窒素を減肥する

従来は水田施用稲わらの腐熟促進に石灰窒素を施用しても次年度の施肥窒素を減肥しなかった。しかし、環境保全型施肥技術としては10a当り石灰窒素20kgにつき水稲の基肥窒素1kg程度を減肥する。

普及技術 平成11年(1999年)農業総合試験場 農事試験場

水稲用簡易作業シミュレーションプログラムは.作業ごとの能率・時期等を入力することにより春及び秋作業をシミュレーションし、移植と直播の組み合わせ可能面積等を知ることができる

本プログラムは、作業ごとの能率・機械の稼働台数・組作業人員・作業時期等を入力することにより、水稲の春及び秋作業をシミュレーションできる。また、移植と直播の合理的な組み合わせ可能面積が把握できる。

普及技術 平成11年(1999年)農事試験場 南信農業試験場

小麦奨励品種「東山30号」は播性Ⅳで越冬性に優れる早生種で.強稈・多収・穂発芽難で粉色白く.製麺性に優れる

小麦「東山30号」は半数体育種法(bulbosum法)により育成した世界最初の小麦品種である。播性Ⅳで越冬性に優れ、穂発芽性難の早生種である。強稈・多収で、粉色は白く、製麺適性は「シラネコムギ」並みに良好である。

普及技術 平成11年(1999年)農事試験場 南信農業試験場

大麦奨励品種「東山川93号」は早生・強稈で.精麦白度高く,食味の良い糯品種である

「東山皮93号」は糯性の6条皮麦で、精麦白度が高く、食感がまろやかで、食味の良い、早生・強稈で栽培特性の優れた品種である。

普及技術 平成11年(1999年)農事試験場 農業総合試験場

水稲の代かき同時土中点播栽培技術

代かき同時土中点播機を用いた湛水土壌中直播栽培は、散播栽培より耐倒伏性が向上するため、コシヒカリ等耐倒伏性の劣る品種が栽培でき、収量は移植栽培に近い。

普及技術 平成11年(1999年)農事試験場

水稲奨励品種「信交488号」の栽培法

「信交488号」の高冷地での良質良食味・安定多収栽培のためには、基肥重点施肥が良く、作期は5月下旬の普通期植が良い。また穂数が多いので、密植による増収効果はない。

普及技術 平成11年(1999年)農事試験場 南信農業試験場

水稲奨励品種「信交488号」は極早生で耐冷性強く.良食味の良質安定品種である

水稲奨励品種「信交488号」は「ユメコガネ」よりやや早い極早生で、耐冷性はやや強~強、「ユメコガネ」並の多収で、食味は「ユメコガネ」より明らかに優れ、「コシヒカリ」に近い良食味で、栽培しやすい良質安定品種である。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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