研究情報

研究成果『作物』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「作物」の研究内容とその成果をご紹介します。

試験して得られた技術事項 平成10年(1998年)農総試

大型産業用無人ヘリコプター(ヤマハR-MAX)は水稲栽培における種子・除草剤・農薬散布に加え、追肥散布作業も可能である。

水稲栽培における産業用無人ヘリコプターは、①排水溝切り、②カルパーコーティング種子散布、③除草剤(粒剤・フロアブル剤)散布、④液剤少量散布などに使用されている。今までの産業用無人ヘリコプター(以後RCヘリと略)は資材積載能力が12㎏程度であったが、新機種の大型RCヘリでは24㎏と約2倍に増強された。搭載能力が小さな場合は肥料など多量散布が必要な資材は散布対象外としていたが、大型RCヘリでは肥料散布も可能である。RCヘリの作業用途を拡大することにより高度利用を促進し、運用コストの低減を図る。

試験して得られた技術事項 平成10年(1998年)中信試

高冷地に適したそば「開田早生」の特性

木曽地域の高冷畑作地帯(標高1,000~1,200m)では、そばが重要な特産作物のひとつとなっているが、当該地域に適応した奨励品種はなく、採種体制や採種指導もない在来種が栽培されているのが現状である。そのため、この地帯に適したそば品種の選定・育成が求められている。平成4~6年、当該地域に適応した品種の選定試験を現地圃場で実施したところ、木曽郡開田村の在来早生系統の収量性が安定して高く、この地域に最も適していると判断された。そこで、この在来種を母材とした高冷地向けそば品種の選抜をすすめるとともに、その特性を明らかにする。

試験して得られた技術事項 平成10年(1998年)農事試

水稲湛水直播栽培における鳥害の実態と耕種的鳥害防止対策

水稲湛水直播栽培を実施した場合、鳥害により壊滅的被害を受けることが多く、普及の最大の障害となっている。このため、現場からの鳥害対策への要望は切実である。そこで、現地における鳥害の実態把握を行うとともに、播種法や播種後の水管理が鳥害に及ぼす影響を検討し、耕種的防除法を確立する。

普及技術 平成10年(1998年)中信農業試験場

とうもろこし播種時.発芽時の鳥害防止にキヒゲンディーフロアブルの播種塗沫処理が有効である

とうもろこし播種時、発芽時のカラス、ドバト等による鳥害防止(忌避効果)にキヒゲンディーフロアブルを乾燥種子1kg当たり原液30ml塗沫する。

普及技術 平成10年(1998年)南信農業試験場 農事試験場

本田の窒素施肥の省略と減肥ができる水稲育苗箱窒素全量基肥施肥法

水稲の育苗箱へ基肥窒素を被覆尿素で全量施用する施肥法は、本田施肥する窒素を全く省略する事が可能で、慣行の全面全層施肥に比べて施肥窒素量を3割減肥できる環境にやさしい施肥法である。

普及技術 平成10年(1998年)農事試験場

稲体の充実度を考慮した栄養診断法

コシヒカリの幼穂形成期において、草丈・茎数、葉緑素計による葉色値、標準温度変換日数で代替した稲体の充実度から窒素吸収量を推定し、これと最適窒素吸収量との関係を考慮して穂肥を施用する。

普及技術 平成10年(1998年)農事試験場 南信農業試験場 農業総合試験場

水稲栽培における発行鶏糞の基肥施用基準

水稲栽培における化学肥料の削減と、家畜糞尿のリサイクルを促進するため、化学肥料の50%以上の削減を目的とし、基肥全量を発酵鶏糞で代替する場合の施用基準を策定した。

普及技術 平成10年(1998年)農事試験場

オカラ・きのこ栽培残さ等の堆肥を用いた水稲の減化学肥料栽培法

未利用有機物の有効利用の見地から、オカラ、きのこ栽培残さ(以下廃オガと略称)等の簡易な堆肥化方法について検討し、それらを基肥に用いた水稲の減化学肥料栽培法を確立した。

普及技術 平成10年(1998年)農事試験場 農業総合試験場

オカラ・きのこ栽培残さ堆肥.早期中干し.再生紙マルチによる減化学肥料.減農薬水稲栽培法

基肥にオカラ・きのこ栽培残さ(以下廃オガ)堆肥、イネミズゾウムシ抑制に早期中干し、雑草抑制に再生紙マルチを組み合わせた栽培法を確立した。経営的には販売方法等により成立可能な技術と判断した。

普及技術 平成10年(1998年)中信農業試験地

認定品種「あきたこまち」「ひとめぼれ」の栽培法

「あきたこまち」と「ひとめぼれ」の良質米安定生産のために、「ハナエチゼン」より15~20%の窒素減肥がよい。

普及技術 平成10年(1998年)原村試験地 

水稲奨励品種「信交485号」の栽培法

「信交485号」の良質良食味・安定多収栽培のために、「コイヒメ」の基肥水準よりやや減肥し、苗の高温管理及び密植を避けて倒伏を抑え、適正な穂肥、水管理、病害虫防除を行う。

普及技術 平成10年(1998年)農事試験場 南信農業試験場

水稲「信交483号」は粘りの強い低アミロース米で.単体利用やブレンドによる食味向上に利用できる

水稲「信交483号」は「キヌヒカリ」よりやや遅い中生種で、アミロース含量が5~6%と低く、炊飯米の粘りが強い。単品利用や、ブレンドすることにより粘りの弱い粳米・古米の食味向上が図れる。

普及技術 平成10年(1998年)農事試験場 南信農業試験場

水稲「信交糯144号」は脱粒性難の多収紫黒糯で.赤飯や餅等に利用できる

水稲「信交糯144号」は「ながのもち」よりやや遅い中生種。脱粒性難の良質・多収の紫黒糯で、果皮部の赤紫色素を利用して赤飯、餅等に活用できる。

普及技術 平成10年(1998年)農事試験場 南信農業試験場

水稲「ひとごこち」の栽培法

酒造好適米「ひとごこち」の大粒で心白発現率高く、タンパク含量の低い高品質米の安定生産には、基肥を抑え、幼穂長5~10mm期(出穂前20~15日)の追肥がよい。

普及技術 平成10年(1998年)農事試験場 南信農業試験場

水稲奨励品種「ひとごこち」は.大粒で心白発現率が高く.多収で.栽培特製の優れる酒造好適米である

水稲奨励品種「ひとごこち」は大粒で心白発現率が高い極良質の中生の酒造好適米である。栽培特性優れ、多収で、酒造適性も優れるので、「白妙錦」と「美山錦」の一部に替えて栽培できる。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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