研究情報

研究成果『果樹』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「果樹」の研究内容とその成果をご紹介します。

普及技術 平成27年(2015年)果樹試験場栽培部、農業試験場企画経営部

醸造用ぶどう栽培において、片側誘引短梢せん定栽培(改良スマート仕立て)は果実の高品質化に有望である

醸造用ぶどう栽培における片側誘引短梢せん定栽培(改良スマート仕立て)は、糖度及び果皮色素量は自然形仕立てと比べて優れる。作業時間は、自然形仕立てと同程度である。

普及技術 平成27年(2015年)果樹試験場栽培部、農業技術課、園芸畜産課

ぶどう「シャインマスカット」の収穫適期の判定に、ぶどう欧州系黄色品種用カラーチャートが有効である

ぶどう「シャインマスカット」は、満開後90日以降に、ぶどう欧州系黄色品種用カラーチャートを用い、果皮色を比色し、カラーチャート指数「3以上」の果房を収穫することで、目標果汁糖度19Brix%以上の果房が収穫できる。

技術情報 平成27年(2015年)果樹試・環境部

果樹を加害する主要カイガラムシ類幼虫の発生時期

果樹試験場内(須坂市、標高 360m)におけるカイガラムシ類歩行幼虫の発生時期は、 ナシマルカイガラムシは6月上旬~7月中旬及び8~9月(年2回)、ウメシロカイガラムシは5月中旬~6月上旬、7月中~下旬及び8月下旬~9月中旬(年3回)、カツ ラマルカイガラムシは6月下旬~7月中旬及び9月中旬~10 月中旬(年2回)、ミズキカタカイガラムシは6月中旬~7月上旬(年1回)、モミジワタカイガラムシは6月上旬~7月上旬(年1回)である。

技術情報 平成27年(2015年)果樹試・環境部

くるみに発生する2種の果実腐敗性病害(クルミ黒斑細菌病、クルミ炭疽病)の特徴

クルミ黒斑細菌病の果実での発病は6月初旬頃から認められ、黒褐色で硬く周辺に水浸部を伴う病斑を生じる。一方、クルミ炭疽病の腐敗型病斑は7月下旬頃から認められ、深く陥没して内部に鮭肉色の分生子塊を生じるのが特徴である。

技術情報 平成27年(2015年)果樹試・環境部

リンゴ黒星病、褐斑病の発生に及ぼす草生管理の影響

リンゴ黒星病、褐斑病が発生している園地の草生管理では、地表面の草を過度に繁茂させた場合、草生に接する下枝の黒星病、褐斑病の発生が多くなる傾向がある。草生が草丈 20cm 程度(概ね作業上支障となる草丈)になった時点で刈り払い、繁茂させないよう管理することで、この傾向は改善される。

技術情報 平成27年(2015年)果樹試・環境部

リンゴ黒星病、褐斑病防除における越冬落葉処理の効果

リンゴ黒星病、褐斑病の発生園地では、春季にほ場内の越冬落葉を集めて処分することにより落葉からの子のう胞子の飛散量が減少し、両病害の初期発生を抑制することができる。

技術情報 平成27年(2015年)南信試・栽培部

土壌硬度の高い「市田柿」原料かき園における圧縮空気噴射式土壌改良機による土壌改良が、根域、樹体生育および果実収量に及ぼす影響

土壌硬度の高い「市田柿」原料かき園において、樹冠下へ圧縮空気噴射式土壌改良機を用いた土壌改良により、概ね9か月間程度、土壌硬度が低く保たれる。この処理を毎年継続することにより、3年目以降、根域が改善されることで収量が高まる傾向がある。

技術情報 平成27年(2015年)果樹試・環境部

気温から推測した地温を用いた樹園地土壌の窒素無機化量の推定法

気温と地温の相関は高く、地温は気温から推測することが可能である。気温から推測した地温と実測地温で、窒素無機化量の推定値に差は認められない。また、土壌窒素無機化量の推定に気温を用いると、実測地温を用いた場合と比べて土壌窒素無機化量の推定値が低くなる恐れがある。

技術情報 平成27年(2015年)南信試・栽培部

果皮色判定装置による「市田柿」原料かきの収穫適期の判断

果皮色判定装置はカキ果実用カラーチャートに対応し、測定値が4以上の果実を「市田柿」原料かきの収穫適期の果実と判断できる。

技術情報 平成27年(2015年)南信試・栽培部

日本なしジョイント栽培におけるバッテリ-式せん定ハサミと誘引機による作業省力効果

日本なしジョイント栽培において、せん定作業にバッテリ-式せん定ハサミを、棚付け作 業にバッテリ-式誘引機を用いることで各作業時間が短縮される。

技術情報 平成27年(2015年)果樹試・育種部

ネクタリン「スイートトップ」の品種特性

ネクタリン「スイートトップ」は果実重 170~220g 程度、糖度 13~15%程度で酸味の少ないスイートタイプネクタリンである。成熟期は8月上中旬(須坂市)で「水野ネクタリ ン」と同時期の中生品種である。

技術情報 平成27年(2015年)果樹試・育種部

りんご晩生種「シナノホッペ」の収穫適期の把握方法

りんご「シナノホッペ」は、満開後日数が 180 日以降で、且つヨード・デンプン反応の 指数が2程度の場合が収穫適期である。

技術情報 平成27年(2015年)果樹試・栽培部

りんご主要品種の低温要求量

りんご「つがる」、「秋映」、「シナノゴールド」、「シナノスイート」、「ふじ」の自発休眠覚醒に必要とされる 7.2℃以下の低温遭遇時間は、1000 から 1600 時間程度と推測され、気候モデル MIROC5.0、RCP4.5 シナリオによる 2031~2050 年代の気象条件においては、2月中旬までに低温要求量は満たされると推定される。

技術情報 平成27年(2015年)果樹試・栽培部

アルミ蒸着気泡緩衝材の利用によるもも、ネクタリンに対する樹体凍害回避の効果

アルミ蒸着気泡緩衝材は、もも、ネクタリンの樹体凍害回避のための主幹部の稲わら被覆とほぼ同様の樹皮の昇温防止効果と防寒効果を持ち、稲わらに替わる資材として利用できるとともに、低コストで簡便である。

技術情報 平成27年(2015年)果樹試・栽培部

プルーン「オータムキュート」の定植時の主幹の切り返し程度の違いによる樹体生育と収量の差異

プルーン「オータムキュート」の苗木では、定植時の主幹の切り返し程度を1/3とした樹は、切り返し程度1/6とした樹及び切り返しを行わなかった樹に比べ、1樹当たり新梢本数が多く、収量が多かった。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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