研究成果『畜産』
長野県農業関係試験場にて取り組んだ「畜産」の研究内容とその成果をご紹介します。
試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)畜試
フリーストール牛舎内に用いる敷料を通路には撒布しないことにより、牛のストール利用性が向上し、牛体の汚染が大幅に抑制される乳牛のフリーストール牛舎において、牛群のストール利用性が低いと牛体が汚れ、搾乳の作業性が悪化するとともに乳房炎の誘因となる。牛のストール利用性は施設のデザインや素材などによって影響されると考えられているが、日常の管理方法によってもストールを取りまく牛の行動を制御できる可能性がある。そこで、ストールと通路における敷料の使用条件を切り替えて、牛のストール利用性に及ぼす影響を明らかにする。 |
試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)畜試
飼料イネのTDNは籾比率40%の時、乾乳牛(乾物摂取量体重比1.7%)では49%/DM程度、泌乳牛(乳量30kg・乾物摂取量体重比3.5%)では40%/DM程度と推測される飼料イネを乳牛に給与した場合、子実部が未消化のまま排泄されることが認められている。そこで子実の消化性が、泌乳ステージの違いによってどのように異なるか調べ、飼料イネの栄養価について推定する手法を検討する。 |
普及技術 平成12年(2000年)中信農業試験場 畜産試験場
飼料用トウモロコシとして「DK483」は有望である「DK483」は、熟期は”早生”に属し、やや短稈で、ごま葉枯れ病に強い品種である。 |
普及技術 平成12年(2000年)中信農業試験場 畜産試験場
飼料用トウモロコシとして「32K61」は有望である飼料用トウモロコシとして「32K61」は、熟期は”中生”に属し、ごま葉枯れ病にやや強い多収品種である。 |
普及技術 平成12年(2000年)畜産試験場
高消化性遺伝子”bmr”を持つ「東山交22号」は、消化性・嗜好性及び耐倒伏性に優れ、飼料用ソルガムとして有望である晩生、多収で耐倒伏性に優れる飼料用ソルガム「東山交22号」を育成した。本系統は高消化性遺伝子"bmr"を持ち、消化性・嗜好性に優れるソルゴー型ソルガムである。 |
普及技術 平成12年(2000年)畜産試験場
黒毛和種種雄牛「安茂桜」号は、脂肪交雑に優れた子牛が生産できる黒毛和種種雄牛「安茂桜」号は、和牛種雄牛産肉能力検定(間接法)の結果、脂肪交雑(BMS)3.3、一日平均増体量0.92㎏、皮下脂肪の厚さ2.0㎝と優れた遺伝能力を示した。 |
普及技術 平成12年(2000年)畜産試験場
高泌乳牛への食品製造副産物給与における栄養指標食品製造副産物を泌乳前期の高泌乳牛に給与する場合の栄養指標を明らかとした。この指標に留意して飼料設計すると高い産乳性を保ちながら、1割以上のコストの削減が可能である。 |
試験して得られた技術事項 平成12年(2000年)畜試
高消化性ソルガム「葉月」の散播栽培において、播種量を10a当たり8Kgにすることで、ヒユ類やアカザ等の雑草を抑制し、除草剤を使用しない栽培が可能である高消化性遺伝子'bmr'を導入したソルガム「葉月」は茎葉が柔軟で、密植栽培下でも優れた耐倒伏性を示し、再生力も兼用種としては良好なことから、散播・密植栽培、年2回刈りによるロールベール・ラッピング利用体系が可能である。一方、飼料作物における雑草防除に関しては耕種的方法等によって、過度に除草剤に依存しない防除技術が求められており、環境保全型雑草制御技術の確立が不可欠である。そこで「葉月」の特性を踏まえ、無除草、散播栽培における適正播種量の検討を行った。 |
試験して得られた技術事項 平成12年(2000年)畜試
ライ麦の散播栽培における播種量は、収量性、収穫ロス及びロールベールサイレージ品質を考慮すると、10a当たり4~6Kgが適正である自給飼料の増産を図るためには、夏作と冬作を組み合わせた作付け体系の確立が重要である。しかし、冬作飼料作物は本県の気象的条件、および夏作との収穫、播種作業の競合等の問題から作付けが伸びていない。ライ麦は、適正な品種を選定することにより播種および収穫時期の幅を持たすことが可能であるとともにロールベール・ラッピング処理体系への適応も可能であるため、本県の自給飼料生産量を向上させるために有望である。そこで、ライ麦の散播栽培における適正播種量を明らかにする目的で試験を行った。 |
試験して得られた技術事項 平成12年(2000年)畜試
飼料イネは、品種により飼料成分及び栄養価が異なった。サイレージ調製時の乳酸生成量及びpHは、品種間差が認められたイネの飼料利用を目的として、飼料イネの部位別飼料成分を品種ごとに明らかにして栄養価の高い品種を選定する。また、比較的収量性の高い品種については、サイレージ調製し、発酵品質に及ぼす品種間差について検討する。 |
試験して得られた技術事項 平成12年(2000年)畜試
系統間交雑種LW種雌豚「シンシュウナガラクロス」は、日本飼養標準より高い1日平均増体重700g程度で最も効率良く育成できる本県系統豚「シンシュウL」雌と岐阜県系統豚「ナガラヨーク」雄との系統間交雑LW雌豚「シンシュウナガラクロス」は、従来のF1雌に比べて、育成期の発育が著しく速く、現行の飼養標準からも外れていると思われる。このことから、種豚育成期(体重60~120㎏)の飼料給与試験を実施した。 |
試験して得られた技術事項 平成12年(2000年)畜試
黒毛和種種雄牛「丸山福」号は、ロース芯面積、バラの厚さ及び推定歩留に高い遺伝能力をもつ産肉能力の高い黒毛和種の子牛を生産するため、遺伝能力の高い種雄牛を選抜する。 |
試験して得られた技術事項 平成12年(2000年)畜試
モミの肥育牛飼料用加工処理法として圧扁は、サイレージ化よりも消化性に優れる近年、米生産調整の水田転作作物として飼料イネの生産が図られ、当場でもモミ及びワラを利用した肥育試験を現在実施中である。そこで、モミの適正な加工処理方法を明らかにすることを目的として、加工処理法の違いによる消化性及び嗜好性について検討した。 |
普及技術 平成12年(2000年)畜産試験場
カッティングロールベーラ体系による高冷地ソルガムの栽培と収穫・調整法高冷地において「スズホ」を10aあたり5~6kgの播種量で密植栽培し、カッティングロールベーラで収穫・調製することにより、収穫・サイレージ調製に要する作業時間は、1条刈コーンハーベスタを装着したツーウェイトラクタを用いる慣行の体系より60%短縮できる。 |
普及技術 平成12年(2000年)畜産試験場
採草及び放牧用牧草として.ペレニアルライグラス「ヤツカゼ」は有望であるペレニアルライグラス「ヤツカゼ」は、県奨励品種「ヤツボク」より乾物収量が高く、季節生産性、永続性とも安定しており、採草及び放牧用牧草として優れている。 |