研究情報

研究成果『畜産』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「畜産」の研究内容とその成果をご紹介します。

試験して得られた技術事項 平成12年(2000年)畜試

高消化性ソルガム「葉月」の散播栽培において、播種量を10a当たり8Kgにすることで、ヒユ類やアカザ等の雑草を抑制し、除草剤を使用しない栽培が可能である

高消化性遺伝子'bmr'を導入したソルガム「葉月」は茎葉が柔軟で、密植栽培下でも優れた耐倒伏性を示し、再生力も兼用種としては良好なことから、散播・密植栽培、年2回刈りによるロールベール・ラッピング利用体系が可能である。一方、飼料作物における雑草防除に関しては耕種的方法等によって、過度に除草剤に依存しない防除技術が求められており、環境保全型雑草制御技術の確立が不可欠である。そこで「葉月」の特性を踏まえ、無除草、散播栽培における適正播種量の検討を行った。

試験して得られた技術事項 平成12年(2000年)畜試

ライ麦の散播栽培における播種量は、収量性、収穫ロス及びロールベールサイレージ品質を考慮すると、10a当たり4~6Kgが適正である

自給飼料の増産を図るためには、夏作と冬作を組み合わせた作付け体系の確立が重要である。しかし、冬作飼料作物は本県の気象的条件、および夏作との収穫、播種作業の競合等の問題から作付けが伸びていない。ライ麦は、適正な品種を選定することにより播種および収穫時期の幅を持たすことが可能であるとともにロールベール・ラッピング処理体系への適応も可能であるため、本県の自給飼料生産量を向上させるために有望である。そこで、ライ麦の散播栽培における適正播種量を明らかにする目的で試験を行った。

試験して得られた技術事項 平成12年(2000年)畜試

飼料イネは、品種により飼料成分及び栄養価が異なった。サイレージ調製時の乳酸生成量及びpHは、品種間差が認められた

イネの飼料利用を目的として、飼料イネの部位別飼料成分を品種ごとに明らかにして栄養価の高い品種を選定する。また、比較的収量性の高い品種については、サイレージ調製し、発酵品質に及ぼす品種間差について検討する。

試験して得られた技術事項 平成12年(2000年)畜試

系統間交雑種LW種雌豚「シンシュウナガラクロス」は、日本飼養標準より高い1日平均増体重700g程度で最も効率良く育成できる

本県系統豚「シンシュウL」雌と岐阜県系統豚「ナガラヨーク」雄との系統間交雑LW雌豚「シンシュウナガラクロス」は、従来のF1雌に比べて、育成期の発育が著しく速く、現行の飼養標準からも外れていると思われる。このことから、種豚育成期(体重60~120㎏)の飼料給与試験を実施した。

試験して得られた技術事項 平成12年(2000年)畜試

黒毛和種種雄牛「丸山福」号は、ロース芯面積、バラの厚さ及び推定歩留に高い遺伝能力をもつ

産肉能力の高い黒毛和種の子牛を生産するため、遺伝能力の高い種雄牛を選抜する。

試験して得られた技術事項 平成12年(2000年)畜試

モミの肥育牛飼料用加工処理法として圧扁は、サイレージ化よりも消化性に優れる

近年、米生産調整の水田転作作物として飼料イネの生産が図られ、当場でもモミ及びワラを利用した肥育試験を現在実施中である。そこで、モミの適正な加工処理方法を明らかにすることを目的として、加工処理法の違いによる消化性及び嗜好性について検討した。

普及技術 平成12年(2000年)畜産試験場

カッティングロールベーラ体系による高冷地ソルガムの栽培と収穫・調整法

高冷地において「スズホ」を10aあたり5~6kgの播種量で密植栽培し、カッティングロールベーラで収穫・調製することにより、収穫・サイレージ調製に要する作業時間は、1条刈コーンハーベスタを装着したツーウェイトラクタを用いる慣行の体系より60%短縮できる。

普及技術 平成12年(2000年)畜産試験場

採草及び放牧用牧草として.ペレニアルライグラス「ヤツカゼ」は有望である

ペレニアルライグラス「ヤツカゼ」は、県奨励品種「ヤツボク」より乾物収量が高く、季節生産性、永続性とも安定しており、採草及び放牧用牧草として優れている。

普及技術 平成12年(2000年)畜産試験場

採草及び放牧用牧草として.メドウフェスク「ハルサカエ」は有望である

メドウフェスク「ハルサカエ」は、県普及品種「トモサカエ」、奨励品種「ファースト」より乾物収量が高く、季節生産性、永続性とも安定しており、採草及び放牧用牧草として優れている。

普及技術 平成12年(2000年)畜産試験場

飼料用ソルガムとして「ゴールドソルゴー(FS5)」は有望である

「ゴールドソルゴー」は、早晩性は"中生の晩"に属し、ソルゴー型ソルガムとしては早生である。同熟期および晩生のソルゴー型ソルガムと比較して、多収で、耐倒伏性に優れ、乾物穂重割合も高い。

普及技術 平成12年(2000年)畜産試験場

除湿コントロールをした孵卵室で.汎用孵卵機を利用してダチョウ卵の孵化ができる

ダチョウ用に卵枠を改良した汎用小型孵卵機を用い、温度36.0~36.2℃、相対湿度25~30%で孵卵し、発生枠へ移動後は相対湿度を35~45%に上げてダチョウ卵の人工孵化を行ったところ、良好な成績が得られた。

普及技術 平成12年(2000年)畜産試験場

黒毛和種雄牛「紋寿郎3」号は.肉質及び増体に優れ.各産肉形質にバランスのとれた子牛が生産できる

黒毛和種種雄牛「紋寿郎3」号は和牛種雄牛産肉能力検定(間接法)の結果から、脂肪交雑(BMS)3.0、一日平均増体量0.93㎏、ロース芯面積49?、皮下脂肪の厚さ1.7㎝と優れた遺伝能力を示した。

普及技術 平成12年(2000年)畜産試験場

黒毛和種種雄牛「勝正福」号は.脂肪交雑に特に優れ増体のよい子牛が生産できる

黒毛和種種雄牛「勝正福」号は和牛種雄牛産肉能力検定(間接法)の結果から、脂肪交雑(BMS)3.2、一日平均増体量0.94㎏、バラの厚さ6.6㎝、皮下脂肪の厚さ1.8㎝と優れた遺伝能力を示した。

普及技術 平成12年(2000年)畜産試験場

黒毛和種講師の人工哺育において.35日齢早期離乳は可能である

黒毛和種の子牛を35および42日齢まで代用乳で人工哺育し、自然哺育した子牛との発育・飼料摂取および疾病発生状況等を比較した。35日齢離乳でも発育には差が認められず、育成用飼料の摂取は良好で、また人工哺乳を行った母牛の空胎期間が24日短縮された。

試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)農業総合試験場

スリップロールを利用したトラクタ直装型畑用播種機(試作機)はそば・飼料作物(ヘアリーベッチとライ麦の混播・ソルガム)の播種ができる

畑地輪作の安定多収のためには適期作業が必須条件である。スリップロールを利用したトラクタ直装型畑用播種機は、土壌水分や前作物残渣に影響を受けずに播種作業が可能なため適期播種の励行に有効である。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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