研究情報

研究成果『病害虫』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「病害虫」の研究内容とその成果をご紹介します。

技術情報 平成21年(2009年)南信試・栽培部

発生予察用粘着トラップ(SEトラップ)とファネルトラップにおけるオオタバコガ誘殺数の違い

オオタバコガの発生予察で使用している市販の粘着トラップ(SEトラップ:白色) (以下、粘着トラップ)とファネルトラップ(黄色)(以下、ファネルトラップ)の誘殺数を調査したところ、粘着トラップの誘殺数が多く、防除時期の把握には適していると考えられた。なお誘殺ピークを把握する場合には、調査間隔を短くすることが必要と考えられる。

技術情報 平成21年(2009年)南信試・栽培部

リンゴコカクモンハマキ発生予察用ルアー3種の誘引力

果樹の主要害虫の一種であるリンゴコカクモンハマキの発生予察用のモニタートラップで使用される3種類のルアーの誘引力は異なる。調査結果を比較する場合は、同じメーカーのルアーを用いる。

技術情報 平成21年(2009年)野花試・佐久支場、南信試・栽培部

ナモグリバエに対する土着寄生蜂の密度抑制能力

ナモグリバエの土着天敵は、多種からなる寄生蜂群集であり、高いナモグリバエ密度抑制能力を有する。ナモグリバエの発生初期である5月頃には、イサエアヒメコバチが密度抑制効果を発揮する。夏季は本種に加えてササカワハモグリコマユバチ等が発生し、密度抑制効果を示す。

技術情報 平成21年(2009年)南信試・栽培部

キュウリ褐斑病に対するジマンダイセン水和剤の効果

ジマンダイセン水和剤は、キュウリ褐斑病発生前の散布で高い防除効果がある。発生後は防除効果が劣るものの、初発直後に使用することで、栽培期間を通した発病抑制効果が認められる。

技術情報 平成21年(2009年)南信試・栽培部

下伊那地域のきゅうりから分離したキュウリ褐斑病菌のアゾキシストロビン剤に対する薬剤感受性

下伊那地域のきゅうりから分離したキュウリ褐斑病菌は、アゾキシストロビン剤に対して感受性が低下している。このため、耕種的防除を徹底した上で、効果のある薬剤のローテーション散布を行う。

技術情報 平成21年(2009年)野花試・環境部

セルリー葉芯部のえそ小斑点、萎縮症状は炭疽病菌の一系統による新規の病害である

近年長野県内のセルリー生産地で発生している葉芯部えそ萎縮症状(通称:ごま)は、 Colletotrichum acutatum の一系統による新規の病害である。 C. a cutatum によるセルリー炭疽病は、日本国内では平成 12 年に東京都での発生が初めて報告されたが、被害は育苗時における芯葉の腐敗であり、本県の場合とは病徴が大きく異なる。

技術情報 平成21年(2009年)野花試・環境部

スイカ果実汚斑細菌病菌の罹病残さにおける生残性

スイカ育苗施設または本圃で果実汚斑細菌病が発生した場合、罹病残渣を土中深 く(地表下 30cm 以上)埋却することにより残渣中の病原細菌は死滅する。

技術情報 平成21年(2009年)果樹試・環境部

りんごせん定チップの連用施用が白紋羽病の発病に与える影響

せん定枝チップ約 300kg/10aを定植5年目まで連年表面施用したところ、リンゴ白紋羽病発病に及ぼす影響は小さかった。しかし、白紋羽病発病履歴のあるほ場では、せん定枝チップの施用量の増加、土壌中への混和により発病の危険が増大するため、せん定枝チップの施用は行わない。

技術情報 平成21年(2009年)農試・環境部

無加温平置き出芽方式はイネもみ枯細菌病(苗腐敗症)の発生を抑制する

無加温平置き出芽方式では加温出芽に比較して育苗初期の育苗箱内の温度が低めに推移することからもみ枯細菌病(苗腐敗症)の発生を抑制する。

技術情報 平成21年(2009年)農試・企画経営部、農業技術課

電気柵支柱に縦の通電線を追加することによりニホンザルの侵入防止効果が高まる

建設用ワイヤーメッシュの上部に、電柵線を5本設置したニホンザル侵入防止柵において、支柱に沿って縦の通電線を追加し電流を流すことにより、ニホンザル侵入防止効果を向上させることができる。

技術情報 平成21年(2009年)農試・企画経営部、農業技術課

電気牧柵器はアースを改良することにより電圧低下を改善できる

電気牧柵器を調査した結果、アース不良が電圧低下に関係しており、アースを改良することによって電圧を上げることが出来る。

技術情報 平成21年(2009年)農試・企画経営部・環境部、農業技術課

アメダスデータによる葉いもち感染好適条件判定の自動更新

長野県で実施している葉いもち感染好適条件判定処理の自動化を図ることで、迅速な情報提供が可能となる。また、感染好適条件の詳細な情報が閲覧できるため、判定結果の理解が容易となる。

技術情報 平成21年(2009年)野花試・佐久支場、南信試・栽培部

長野県におけるナモグリバエの土着天敵相

長野県内の6市町村でナモグリバエ寄生蜂を採集し、4科 20 種の寄生蜂がナモ グリバエに寄生していることを確認した。すべての調査地点に共通する優占種はイサエアヒメコバチであった。寒地ではこれに次いでササカワハモグリコマユバチが発生していた。

技術情報 平成21年(2009年)野花試・佐久支場

長野県におけるナモグリバエの越冬生態

葉洋菜類に多発し問題となっているナモグリバエは、アブラナ科葉菜類等の寄主植物の生葉中で主に蛹態となって翌春まで生存する。成虫は 12 月頃まで発生が継続し、積雪 の少ない年および地域では1、2月にも発生する。葉菜類の育苗施設においてはこれら成虫の 飛び込みに注意する。

技術情報 平成21年(2009年)畜試・飼料環境

吹き流しを応用した省力・低コストなカラス害回避の方法

使用済みの肥料袋を短冊状の吹き流しとして圃場内に張る方法は、軽作業でコストも少なく、カラスの侵入もみられない。

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農業関係試験場について

長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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