研究成果『病害虫』
長野県農業関係試験場にて取り組んだ「病害虫」の研究内容とその成果をご紹介します。
試行技術 平成20年(2008年)野花試(病虫土肥部・花き部)
LED防除器(レピガードR)は施設栽培カーネーションにおけるオオタバコガの産卵を抑制できるカーネーション栽培施設において、LED防除器(レピガードR)を 10 ㎡に 1 個の割合で設置し、オオタバコガ成虫の発生期の日没前から日の出後まで点灯すると、オオタバコガの産卵数を抑制できる。 |
試行技術 平成20年(2008年)中信試(畑作育種部)
大豆「ペキン」の作付けはダイズシストセンチュウによる被害の軽減に有効であるダイズシストセンチュウ高度抵抗性の青刈り用大豆「ペキン」を栽培すると、土壌中のダイズシストセンチュウ密度が低下し、後作大豆の被害を軽減できる。 |
試行技術 平成20年(2008年)南信試(病虫土肥部)
ナシ黒星病感染予測に基づいた「幸水」、「豊水」の病害防除体系(予測防除体系)は黒星病に対する効果が高く、また主要病害全般に有効であるナシ黒星病感染予測に基づいた「幸水」、「豊水」の病害防除体系(予測防除体系)は黒星病に対する効果が高く主要病害全般に有効である。この予測防除体系は天候により散布回数が変動するが、過去3ヵ年の実証では散布回数、殺菌剤の投下成分数、殺菌剤の薬剤費が慣行と比較しておおよそ半減した。 |
試行技術 平成20年(2008年)農事試(病虫土肥部)
「発生予察支援装置」及び「クロップナビ」による葉いもち感染条件の判定結果からイネいもち病(葉いもち)の発生初期の動向が把握できる「発生予察支援装置」及び「クロップナビ」による葉いもち感染条件の判定結果から、葉いもちの発生初期の動向が把握でき、設置地区・圃場の葉いもちの発生時期の目安となる。 |
普及技術 平成20年(2008年)野花試(佐久支場)、南信試(病中土肥部)
ナモグリバエの発生消長は黄色粘着トラップにより把握できる黄色粘着ロールを加工したトラップを用い、ナモグリバエ成虫の発生消長が把握可能である。トラップは圃場または圃場周辺部に設置し、5~7日間隔で誘殺数を調査する。日平均気温 20℃以下の時期では、誘殺ピークの出現後にレタス株上の幼虫個体数が増加するので、防除の参考とすることができる。 |
普及技術 平成20年(2008年)野花試(病虫土肥部、花き部、育種部)
トルコギキョウにおけるウイルス病害の発生実態と耕種、物理、化学的防除を組み合わせた発病抑制技術県内のトルコギキョウに発生している主要なウイルスは、キュウリモザイクウイルス、インパチェンスえそ斑紋ウイルス、アイリス輪紋ウイルス、トルコギキョウえそ萎縮ウイルス(仮称)の単独または重複感染であるが、これらは個別の技術を総合化した「組み合わせ防除」の実施により、被害を抑制することができる |
普及技術 平成20年(2008年)野花試(病虫土肥部)
アルストロメリアにおけるウイルス病害の発生実態と主要ウイルスであるアルストロメリアモザイクウイルスの診断技術県内のアルストロメリアからは多数のウイルスが検出されるが、県下広域から検出される主要ウイルスはアルストロメリアモザイクウイルス(AlMV)であり、本ウイルスに特異的な抗血清を作製し、DAS-ELISA 法および DIBA 法による血清学的診断技術を確立した。 |
普及技術 平成20年(2008年)南信試(病虫土肥部)、果樹試(病虫土肥部)
50℃の温水点滴処理はなしとりんごの白紋羽病防除に有効である白紋羽病罹病樹を中心とした半径 1m あるいは 2m 四方の範囲に 50℃の温水を地表面から点滴する。なし、りんごともに根部の白紋羽病菌が消失あるいは減少し高い治療効果が得られる。なしでは処理後に細根の発根が旺盛に認められ、樹勢回復が促される。 |
普及技術 平成20年(2008年)農事試(病虫土肥部・作物部)、農総試(経営情報部)、農業技術課(専技))
イネいもち病(葉いもち)の発生予察に作物の栽培支援装置「クロップナビ」が有効である「クロップナビ」は「発生予察支援装置」とほぼ同等の精度で葉いもちの感染予測が可能なほ場設置型の観測装置である。マイコン、液晶画面を装備しており、ほ場で予測結果を知ることができるなど利便性が格段に向上した装置である。 |
技術情報 平成20年(2008年)南信試(病虫土肥部)
ナシマダラメイガの性フェロモントラップSEトラップの粘着版中央部に、開発したナシマダラメイガの発生予察用性誘引剤を設置すると、ナシマダラメイガのオス成虫を1ヶ月以上にわたって、効率的に誘引捕獲する。この捕獲数を、年間を通じて、半旬毎に調査することにより、誘殺消長を簡単に把握することができる。 |
技術情報 平成20年(2008年)果樹試(病虫土肥部)
りんご園の土着ミヤコカブリダニに与える農薬の影響カーバメート剤と殺ダニ剤の一部はりんご園の土着ミヤコカブリダニに対して影響が大きい。また、有機リン剤とネオニコチノイド剤の一部は影響があり、合成ピレスロイド剤とIGR剤及び一部を除く殺菌剤は影響が少ない。 |
技術情報 平成20年(2008年)果樹試(病虫土肥部)
ビーティング法によるりんご園のカブリダニ類及びリンゴハダニの発生状況の把握新梢に寄生するダニ類を黒色板上に叩き落とすビーティング法により、りんご園に発生するカブリダニ類及びリンゴハダニの発生状況が把握できる。 |
技術情報 平成20年(2008年)南信試(病虫土肥部)
下伊那地域のキュウリから分離したキュウリ褐斑病菌の薬剤感受性下伊那地域のキュウリから分離したキュウリ褐斑病菌は、ベンズイミダゾール系剤、ジエトフェンカルブ及びボスカリドに対して感受性が低下している可能性が高い。このため、耕種的防除を徹底した上で、効果のある薬剤のローテーション散布を行う。 |
技術情報 平成20年(2008年)野花試(病虫土肥部)
ピーマン(カラーピーマンを含む)に発生する土壌病害の診断法現在長野県内で発生しているピーマン(カラーピーマンを含む)の各種土壌病害は、考案したフローチャートに従うことで診断することができる。フローチャートで使用する密閉容器内の簡易組織培養法は、病害診断する際の補助となる。 |
技術情報 平成20年(2008年)農事試(病虫土肥部)
降雨がなくともイネいもち病(穂いもち)は発生する感染源が確保されている場合、降雨がなくとも穂いもちが発生する場合がある。 |