研究情報

研究成果『病害虫』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「病害虫」の研究内容とその成果をご紹介します。

試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)農事試験場

DMI剤混用による無機銅剤のもみ枯細菌病に対する防除効果の低下

スターナ耐性もみ枯細菌病菌の出現により、種子消毒剤として銅剤の使用が増えると予想される。銅剤は細菌病に効果はあるものの、いもち病、ばか苗病といった糸状菌病害に対して効果がないため、DMI剤(EBI剤)、あるいはベノミル剤と混用して使用される場合が多い。一方、DMI剤の単用処理は、もみ枯細菌病の発病を助長することから(平成7年の得られた技術事項)、DMI剤あるいはベノミル剤と混用した場合の無機銅剤の効果を検討する。

試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)野菜花き試験場

レタス根腐病の発病における品種間差異

レタス根腐病は1995年の発生以来発生面積を拡大し、本年度は約59haの発生が確認されている。被害軽減の緊急対策として、薬剤防除及び輪作などの耕種的防除が試みられている。さらに長期的視野にたって抵抗性品種の育成にも着手している。そこで育種素材としての利用及び耕種的防除法での利用を念頭に置き、国内で市販・育成された品種の耐病性を調査した。

普及技術 平成11年(1999年)水産試験場 水産試験場佐久支場

新しい農薬の魚類に対する急性毒性(H.11)

魚類に対して、ユニックスZ水和剤は急性毒性があり、基準散布濃度で使用した場合でも魚類に被害を及ぼすおそれがあるので、使用に当たっては注意を要する。チェス水和剤の魚類に対する毒性は低い。

普及技術 平成11年(1999年)南信農業試験場

新しい農薬の蚕に対して薬害のなくなる安全基準日数(H.11)

新しい農薬の蚕に対して薬害のなくなる安全基準日数はチェス水和剤が稚蚕壮蚕ともに7日マッチ乳剤が稚蚕壮蚕ともに60日以上、スピノエースフロアブルが稚蚕壮蚕ともに60日以上、ラブサイドベフラン粉剤DLが稚蚕壮蚕ともに20日、ユニックスZ水和剤が稚蚕壮蚕ともに20日、フェスティバルM水和剤が稚蚕壮蚕ともに15日である。

試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)果樹試験場

モモ灰星病防除薬剤のモモホモプシス腐敗病に対する効果

モモ灰星病とモモホモプシス腐敗病は、防除時期が重なることがあるため、灰星病防除として使用頻度の高いEBI剤およびジカルボキシイミド系薬剤のホモプシス腐敗病に対する効果を把握する必要がある。そこで、EBI剤、ジカルボキシイミド系薬剤を中心に、ほ場におけるホモプシス腐敗病に対する防除効果を検討した。また、室内において、各種EBI剤のホモプシス腐敗病に対する効果を接種によって検討し、ほ場試験による防除効果と比較した。さらに、須坂市5ほ場、果樹試験場内から採集したモモホモプシス腐敗病菌53菌株について、ベンゾイミダゾール系(ベノミル)、ジカルボキシイミド系薬剤(イプロジオン)に対するMICを検討した。

試験して得られた技術事項 平成10年(1998年)営技セ

レタス根腐病菌による根部褐変症状

平成7年に初確認されたレタス根腐病はその後発生面積が拡大し、確実な防除対策の実施が必要となっている。これ以上の発生拡大を阻止するためには本病の初発生を速やかに把握することが、極めて重要である。しかし、本病診断の重要な指標である根部導管の褐変は、他の病害や線虫害、緑芯症や植え痛みをはじめとする生理障害など様々な要因で生じるため、現場での識別に苦慮している。そこで、地上部に異常のみられた株の根部導管褐変状況と病原菌分離の有無との関係を調査し、レタス根腐病診断の資料とする。

試験して得られた技術事項 平成10年(1998年)野菜花き試

天敵(コレマンアブラバチ)による施設栽培いちごのアプラムシ防除

環境に対する農薬の影響が問題とされているが,環境にやさしい農業を推進するため,天敵による害虫防除の方策が模索されている。トマトでは,オンシツコナジラミに対してオンシツツヤコバチを利用する防除方法が普及技術として取り上げられている。いちごにおいても受粉のためのミツバチの利用や観光農園などの栽培形態から農薬以外による害虫防除が求められている。

試験して得られた技術事項 平成10年(1998年)野菜花き試

殺菌剤、酸性水の大腸菌及びレタス腐敗病菌に対する殺菌効果

近年、病原性大腸菌による被害が発生して以来、クリーンな農産物を求める声が高まっている。昨年までの研究で、圃場のレタス葉に病原性大腸菌が存在する可能性は極めて低いことが確認されたが、レタス1gあたりの一般細菌数は、他の野菜と比較し高い。また、まれにレタス葉に一般大腸菌が存在する場合もあるので、クリーン農産物栽培の観点から、殺菌剤および、近年抗菌作用が注目される酸性水について大腸菌、レタス腐敗病菌に対する殺菌効果を検討した。

試験して得られた技術事項 平成10年(1998年)農事試

水稲湛水直播栽培における鳥害の実態と耕種的鳥害防止対策

水稲湛水直播栽培を実施した場合、鳥害により壊滅的被害を受けることが多く、普及の最大の障害となっている。このため、現場からの鳥害対策への要望は切実である。そこで、現地における鳥害の実態把握を行うとともに、播種法や播種後の水管理が鳥害に及ぼす影響を検討し、耕種的防除法を確立する。

試験して得られた技術事項 平成10年(1998年)果樹試験場

ニホンスモモ及びプルーンから分離されたかいよう病菌,黒斑病菌のストレプトマイシンに対する感受性

スモモ及びプルーンから分離したかいよう病菌,黒斑病菌のストレプトマイシンに対する感受性を検討する。

試験して得られた技術事項 平成10年(1998年)果樹試験場

プルーンに発生した細菌性病害の特定

本年,プルーンにかいよう病や黒斑病に類似した病害が発生したので,その原因菌を特定する。また,各病害の病徴を明らかにする。

試験して得られた技術事項 平成10年(1998年)果樹試験場

ニホンスモモに発生した細菌性病害の特定

ニホンスモモに発生する細菌性病害には黒斑病(病原菌:X.campestrispv.pruni)とかいよう病(病原菌:P.sringaepv.morsporum)がある。本年,スモモに多発した細菌性病害を特定する。

試験して得られた技術事項 平成10年(1998年)果樹試験場

ストレプトマイシン剤がブドウに薬害を起こす時期と付着部位の特定

ストレプトマイシンにはぶどうの無核化(単為結果)を起こす作用があることが知られている。ぶどう園と近接するもも園から飛散するストレプトマイシン剤(アグレプト水和剤,アグリマイシン100)によってぶどうに無核小粒果の薬害が起きる可能性がある。そこで,ストレプトマイシン剤がぶどうに薬害を起こす時期や付着部位を検討する。

試験して得られた技術事項 平成10年(1998年)農事試験場

ベントグラスに発生したカッパースポット(通称)の諸性質

平成9年9月にKゴルフ場のベントグラスグリーンに既知の病害とは異なった症状の病害が発生したため、その原因を究明したところ、本邦では詳細な報告がされていない新病害「カッパー スポット(通称」であることが判明した。そこでカッパースポット(通称)の発生生態および ) 防除薬剤について検討した。

普及技術 平成10年(1998年)野菜花き試験場

夏まきはくさいのセル成型苗は.低温・暗黒条件で10日間程度貯蔵が可能である

夏まきはくさいのセル成型苗を育苗完了後、2℃前後の野菜予冷庫で貯蔵することによって育苗完了時の苗質を保つことができ、貯蔵日数は収穫時の球内抽だいの危険を回避するため10日間程度にとどめるのが安全である。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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