研究情報

研究成果『技術情報』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「技術情報」の研究内容とその成果をご紹介します。

果樹 平成20年(2008年)果樹試(栽培部・育種部)

ぶどう「シャインマスカット」の無核化技術

ぶどう「シャインマスカット」の無核栽培では、ストレプトマイシンを散布し、開花始期に花穂整形を行い、満開時~満開3日後および満開 10~15日後にジベレリン 25ppm 液で花房・果房を浸漬処理する。若木や施設栽培では、着粒安定のため第1回目ジベレリン処理時にフルメット2~5ppm を加用する。

果樹 平成20年(2008年)果樹試(栽培部)

りんご2年生わい性台木苗木(カットツリー)輸送用バックの実用性

試作したりんご2年生わい性台木苗木(カットツリー)輸送用バッグは、苗木を 10~20 本単位で収納でき、輸送中の苗の傷みが少ない。また、春先の日影条件では、バッグ内の湿度を1週間程度ほぼ 100%に保つことができる。

果樹 平成20年(2008年)果樹試(育種部)

おうとう「紅きらり」の品種特性

おうとう「紅きらり」は果樹試験場(須坂市)では6月下旬に成熟し、「佐藤錦」よりやや遅く収穫できる自家和合性品種である。果実重が10g程度と大きく、着色・外観が良好で、酸味が少なく食味に優れる。

果樹 平成20年(2008年)果樹試(栽培部)

りんごわい性台木樹「ふじ」(フェザー付き2年生大苗)の定植時期が樹勢と初期収量に及ぼす影響

りんごM.9ナガノ台木樹「ふじ」の2年生苗木を春植えすると、秋植えに比べて幼木期の樹勢が落ち着き、頂芽花芽数が多くなることで初期収量も多くなる。

果樹 平成20年(2008年)果樹試(栽培部・病虫土肥部)

M.9ナガノ台木を用いた4×2m植えリンゴ数品種の礫質褐色森林土における定植後8年目(10年生)までの生育、収量

M.9 ナガノ台木樹の定植後の収量(kg/樹)は、「ふじ」>「シナノゴールド」=「シナノ スイート」≧「秋映」の順である。「ふじ」樹の幹断面積を 1 とした場合、「シナノゴールド」、「シナノスイート」、「秋映」は 0.7~0.6 である。

果樹・その他 平成19年(2007年)農総試・バイテク

SSRマーカーを用いた本県育成もも品種の識別

ももの葉片、果実から抽出した DNA を、3 種類の SSR マーカーを組み合わせたフラグメント解析を行って得られた遺伝子型を比較することにより、本県育成品種を含む特定の 12 品種の識別が可能である。

野菜・花き・きのこ・病害虫 平成19年(2007年)野花試・佐久支場、南信試・病害虫土壌肥料

標高の異なる長野県内3地点のレタスにおけるナモグリバエの発生推移の特徴

長野県内3地点のレタス株上におけるナモグリバエ幼虫個体数の推移に違いが認められる。発生は平均気温約10℃を超える時期から見られるようになり、15℃から20 ℃の間で発生量が増加する。また、20℃を超える期間が長い地域では、夏季以降の発生量の減少が著しい。

果樹・病害虫 平成19年(2007年)果樹試・病害虫土壌肥料

粘着テープトラップによる果樹カイガラムシ類幼虫の発生時期調査法

果樹カイガラムシ類成虫が寄生している枝に両面テープを巻き付けると、ふ化後移動中の幼虫が付着する。定期的に付着幼虫数を数えることで幼虫の発生消長が把握でき、防除適期の判定にも利用できる。

作物・病害虫 平成19年(2007年)農事試・病害虫土壌肥料

イネドロオイムシのフィプロニル半数致死量

平成 19 年に上高井郡高山村の Dr.オリゼプリンス粒剤(フィプロニル・プロベナゾール粒剤)を苗箱施薬した圃場においてイネドロオイムシが多発した。圃場より採取した越冬成虫について薬剤感受性検定を実施した結果、フィプロニルに対する半数致死量が新潟県や山形県のフィプロニル感受性低下事例並の値であった。

野菜・花き・きのこ・病害虫 平成19年(2007年)野花試・病害虫土壌肥料・花き・育種

DAS-ELISA法によるトルコギキョウえそ萎縮ウイルスの高感度検出技術

トルコギキョウに発生した新種のトルコギキョウえそ萎縮ウイルス(LiNSV:新称)は、新たに作製した LiNSV 酵素標識抗体を用いた DAS-ELISA 法により、感染植物から高感度に検出できる。

野菜・花き・きのこ・病害虫 平成19年(2007年)野花試・病害虫土壌肥料・花き・育種

トルコギキョウえそ萎縮ウイルス(LiNSV:仮称)の伝染環

LiNSV の土壌伝染は、移植時に発生する根傷が主な侵入門戸である可能性が高く、土壌中のトルコギキョウおよび雑草のウイルス罹病根が感染源となり、媒介者を要しない物理的な接触伝染をする。また、本病は抑制作型よりも低温期を経る促成~季咲き作型で発生が多く認められる。

果樹・病害虫 平成19年(2007年)果樹試・病虫土肥部

日本すもも品種「貴陽」、「秋姫」におけるスモモ斑入果病の特徴と果実品質に与える影響

「貴陽」、「秋姫」におけるスモモ斑入果病の代表的な病徴は、着色不良(斑入り)、果面の凹凸、果実の小型化である。斑入りは、「貴陽」では着色が進むほど、「秋姫」では着色始期に明瞭となる。また、両品種ともに罹病果実は健全果実と比べ、酸度、硬度は高く、食味が劣る傾向がみられる。

野菜・花き・きのこ・土壌肥料 平成19年(2007年)南信試・栽培部・病害虫土壌肥料

ヒペリカムの要素欠乏と症状

ヒペリカムの葉色や生育異常の症状からりん酸、加里および苦土の欠乏症状が推測できる。

その他 平成19年(2007年)農総試・機械施設、野花試・花き

農業用ハウスの燃料消費シミュレーター

冬季の農業用ハウスにおいて過去の気象データと設定温度を入力することで、暖房燃料のおおよその使用量が推定できる表計算ソフトを利用したシミュレーター。施設ごとに定数などを変えられ、精度を高めながら使うことが可能である。

畜産 平成19年(2007年)中信試・畑作育種

飼料用とうもろこしのアントシアニン含量の経時的変化とサイレージ用収穫適期

飼料用とうもろこしのアントシアニン含量は、糊熟中・後期から成熟期にかけて増加する。一方、乾雌穂重割合は黄熟中期を過ぎるとほとんど増加しないことから、高アントシアニンとうもろこしのサイレージ用収穫適期は黄熟中期である。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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