研究情報

研究成果『技術情報』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「技術情報」の研究内容とその成果をご紹介します。

果樹・土壌肥料 平成20年(2008年)南信試(病虫土肥部・栽培部)

かき園における土壌膨軟化処理を併用した局所施肥による減肥処理の影響

干し柿「市田柿」の原料果実を生産するかき園において、年間施肥量が多い場合、圧縮空気により土壌膨軟化処理を行った後、30~50%減肥して主幹の周囲に環状に表面局所施肥すると、土壌下部への硝酸態窒素の移行が減る。果実の収量・外観品質および樹体生育は慣行栽培とほぼ同等であるが、果実硬度が高まり、軟化発生が穏やかとなった

果樹・土壌肥料 平成20年(2008年)南信試(病虫土肥部・栽培部)

有機質肥料が日本なし「南水」の収量・品質・窒素吸収(δ15N値)に及ぼす影響

有機質肥料を日本なし「南水」に連用した結果、化学区と比較して 4 年間の収量・糖度に差異はみられなかったが、δ15N値は連用 3年目で果実、葉中での増加がみられ、δ15N値を用いた有機質肥料の施肥判別の可能性があると考えられた。

果樹・土壌肥料 平成20年(2008年)果樹試(病虫土肥部・栽培部)

りんご2年生わい性台木苗木(カットツリー)における樹体内のデンプン及び糖濃度の経時的変化

りんご2年生わい性台木苗木(カットツリー)における樹体内デンプン及び糖濃度は、部位により異なり、時期により大きく変化する。デンプン濃度は、10 月以降急激に上昇し 11 月に最も高くなる。12 月に入ると減少に転じ、中でもデンプン濃度が高い根での減少が著しい。糖濃度は全ての部位で 10 月以降上昇を続け、2月に最大となり、3月には大幅に低下する。

果樹・土壌肥料 平成20年(2008年)果樹試(病虫土肥部)

りんご2年生わい性台木苗木(カットツリー)育苗における窒素施肥反応と推奨窒素施肥量

りんご2年生わい性台木苗木(カットツリー)育苗において、窒素施肥により生育は促進され、フェザー数は窒素 10kg-N/10a で最も多かった。しかし、窒素無施肥でも十分な生育量となり、育成目標を満たすカットツリーが得られた。

作物・土壌肥料 平成20年(2008年)農事試(病虫土肥部)

全量基肥法により栽植密度と施肥量を変えて水稲を栽培した時の生育と収量

全量基肥施肥法で栽植密度を減らして水稲を栽培すると長稈化し、茎の分げつ様相も標準植えと異なる。面積あたりの穂数は減少するが、1穂あたりの籾数が増える傾向がある。また疎植栽培において基肥を 15~20%程度減肥しても収量はほぼ同等であった。

作物・土壌肥料 平成20年(2008年)農事試(病虫土肥部)

キノコ廃培地(コーンコブ)堆肥のリン酸分を利用した水稲栽培

リン酸含有率の高いキノコ廃培地(コーンコブ)堆肥を 500~750kg/10a(リン酸にして 6.6 ~9.9kg/10a相当)をリン酸肥料の代わりに施用して水稲を栽培しても慣行と同等の収量が得られる。

作物・その他 平成20年(2008年)農総試(機械施設部)

産業用無人ヘリコプター防除作業時の防薬ネット敷設によるドリフト低減

産業用無人ヘリコプター(RCヘリ)防除作業時に、高さ2m、目合い1mmの防薬ネットを敷設すると、隣接作物へのドリフトを低減できる。

作物・その他 平成20年(2008年)農総試(経営情報部)

フィールドサーバは画像を含むほ場情報をリアルタイムで取得できる

フィールドサーバは、気温、湿度、日射量、土壌水分、ほ場画像等の各種ほ場情報をリアルタイムに収集することができる。収集データは一般的なウェブブラウザで閲覧することが可能である。

畜産 平成20年(2008年)畜試(養豚養鶏部)

カフェイン添加による豚液状保存精液の活力回復効果

豚液状保存精液を 3 日以上保存した場合は授精前にカフェインを添加し 37℃で加温することにより精子活力を短時間で回復することが可能である。

畜産 平成20年(2008年)畜試(肉用牛部)

細断型ロールベーラを利用して再密封したとうもろこしサイレージの品質は劣化しない

固定サイロから取り出したとうもろこしサイレージを細断型ロールベーラを用いて再密封してもサイレージ品質を保持できる。

畜産 平成20年(2008年)畜試(肉用牛部)

黒毛和種の若齢肥育における飼料給与方法と産肉成績の関係

黒毛和種の若齢肥育において、23.5 ヵ月齢以降にビタミン A を日本飼養標準の 100% 量投与することで、採食量が有意に多くなり枝肉重量の増加が期待できる。一方、給与飼料の高エネルギー化については、粗飼料価指数等を考慮しないと増体や肉質への改善効果はない。

野菜・花き・きのこ 平成20年(2008年)野花試(菌茸部)

ブナシメジ子実体を食害するキノコバエの生活史と対策

長野県北部で見つかったブナシメジ子実体を食害するキノコバエは、 Mycetophilapenicillata Sasakawa 2005(和名なし)によく似た別種で、ブナシメジ生育室での雌の発育期間は 42 日、春先および晩秋に施設内に侵入し生育室内で増殖する。防除は防虫ネットによる侵入防止と捕虫器等による捕殺を行う。

野菜・花き・きのこ 平成20年(2008年)南信試(栽培部)

アルストロメリアに対する補光及び地中加温の効果

アルストロメリア栽培において、10 月から3月の高圧ナトリウム灯による補光と低温期の地中加温を組み合わせて実施することで切り花収量が向上する。

野菜・花き・きのこ 平成20年(2008年)野花試(花き部)

新規導入花木品目の栽培特性

新規性のある34種の花木について特性調査を行った結果、定植後2~3年で早期出荷が可能な品目としてアメリカテマリシモツケ「ルテウス」と「ディアボロ」、およびスモークツリー「ロイヤルパープル」が有望である。

野菜・花き・きのこ 平成20年(2008年)野花試(花き部・病虫土肥部)、南信試(栽培部・病虫土肥部)

LED「レピガードR」の照明がキクの生育・開花に及ぼす影響

LED「レピガード R 」は、照度が高いとキクの開花を抑制するが、夏秋ギクでは 2 ~4Lux 程度の低い照度では開花期や品質への影響が小さい。また、照明の均一性が高くパルス駆動によって照度を変えることが可能である。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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