研究情報

研究成果『試験して得られた技術事項』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「試験して得られた技術事項」の研究内容とその成果をご紹介します。

果樹 平成11年(1999年)果樹試験場

マイナス温域の低温遭遇時間がおうとう「高砂」の休眠覚醒に及ぼす影響

おうとう「高砂」の早期加温栽培における加温開始時期の決定法については、7.2℃以下の気温への遭遇時間の積算値(以下低温積算時間)が1200時間以上経過することを目安にすると既に普及に移している。しかし、年により生育の遅れ・不揃いがみられ、それに対する対応策や自発休眠覚醒に有効な温域の解明などが問題にされてきている。そこで、自発休眠覚醒に必要な7.2℃以下の低温の内マイナス温域の影響について明らかにする。

果樹 平成11年(1999年)果樹試験場

ぶどう「巨峰」の二期作栽培・電照処理による収量増加・所得向上の試算

早期に加温を開始する作型では新梢生育の生育不良や果粒肥大不足、樹勢低下などにより、収量が少なく生産が不安定である。電照処理(日長延長)により新梢生育と果実肥大が促進され収量、品質が向上することが明らかとなっている。作型ごとの経済性を明らかにし栽培の資料とする。

果樹 平成11年(1999年)果樹試験場

りんご未熟落下果実の圃場内での効率的な腐熟方法

平成10年9月22日の台風7号襲来により、りんごの落果による被害は甚大であった。特に「ふじ」については、収穫適期まで1カ月近くを残しており、落下した果実は未熟なため加工用として不適であり、その処理は困難を極めた。そのため圃場内でのすき込み処理による効率的な腐熟方法を検討した。

果樹 平成11年(1999年)果樹試験場

りんご「ふじ」の着色優良系統の特徴

りんご「ふじ」着色系枝変わりの優良な系統を選抜する。

果樹 平成11年(1999年)果樹試験場

りんごわい性台木「JM7」は野鼠被害の発生率が高いので野鼠対策を徹底する必要がある

リンゴわい性台木「JM7」は、挿し木繁殖ができるわい性台木として期待されており、各地で試作が始まっている。しかし、定植後、野鼠被害により初期生育が低下するなどの問題がみられている。そこで、定植時や幼木期の安全な樹体管理方法を確立するために、台木間の野鼠被害発生率を明らかにする。

作物 平成11年(1999年)農事試験場 農業総合試験場

高冷地における水田自動水位コントローラ(水口管理機)「深水番人」を用いた効率的水管理法

気象条件の厳しい高冷地において発生が多い水稲障害型冷害の軽減化を図る。

作物 平成11年(1999年)農事試験場

「信交488号」・「信交485号」・「あきたこまち」の冷害危険期を示す生育ステージの予測

県内主要早生品種について、冷害危険期の指標となる幼穂形成期、葉耳間長0、出穂期をDVRモデルを用いて推定し、冷害回避技術を効率的に適用する。

作物・その他 平成11年(1999年)農事試験場

簡易温水田による水稲生育促進技術

かつて、高冷地水田において本格的な温水田が生育促進、冷害回避の技術として取り入れられていたが、労働力不足、高齢化の進行でほとんど設置がみられなくなり、平成5年冷害の反省から溜め池の効果が見直された。このため、水張り調整水田などを用いた簡易な温水田を設置し水稲の生育促進により冷害回避を行う。

果樹・病害虫 平成11年(1999年)果樹試験場

モモ灰星病防除薬剤のモモホモプシス腐敗病に対する効果

モモ灰星病とモモホモプシス腐敗病は、防除時期が重なることがあるため、灰星病防除として使用頻度の高いEBI剤およびジカルボキシイミド系薬剤のホモプシス腐敗病に対する効果を把握する必要がある。そこで、EBI剤、ジカルボキシイミド系薬剤を中心に、ほ場におけるホモプシス腐敗病に対する防除効果を検討した。また、室内において、各種EBI剤のホモプシス腐敗病に対する効果を接種によって検討し、ほ場試験による防除効果と比較した。さらに、須坂市5ほ場、果樹試験場内から採集したモモホモプシス腐敗病菌53菌株について、ベンゾイミダゾール系(ベノミル)、ジカルボキシイミド系薬剤(イプロジオン)に対するMICを検討した。

野菜・花き・きのこ・その他 平成10年(1998年)農総試

キャベツ葉片からの効率的な植物体再生方法

アグロバクテリウム法による遺伝子導入を効率的に行うためには葉片等の組織からの効率的な再分化系の確立が必要である。また、再分化系が確立できれば、イオンビームやγ線照射等による突然変異誘発にも利用できる。ここではキャベツについて葉片からの効率的な再分化系を確立する。

野菜・花き・きのこ・その他 平成10年(1998年)農総試

組織培養によるリンドウ中間母本K207系統の維持・増殖

農事試験場原村試験地で保存中のリンドウ中間母本K207の元株が播種・定植後7年を経過したため、草勢劣化が著しく、今後中間母本としての活用に支障があることから、組織培養技術により本系統の若返りと増殖を目指した。

野菜・花き・きのこ・その他 平成10年(1998年)農総試

イネキチナーゼ遺伝子導入トルコギキョウの耐病性

キチナーゼは病原菌の壁物質キチンを分解するため、キチナーゼ遺伝子が効率よく発現する植物は病気に強い。本県では耐病性遺伝子のひとつであるイネのキチナーゼ遺伝子をアグロバクテリウム法によりトルコギキョウへ導入した。キチナーゼ遺伝子の付加により耐病性がどの程度付与されるかについて検討した。

野菜・花き・きのこ・その他 平成10年(1998年)農総試

アグロバクテリウム法によるトルコギキョウへの遺伝子導入法

本県はトルコギキョウの新品種を従来育種法により多数育成してきたが、生産者からは付加価値のより高い品種の育成が切望され、現状のトルコギキョウ育種集団には存在しない形質の導入技術を開発する必要があった。一方、DNA操作技術の進展に伴い農作物への外来遺伝子導入技術が発達し、また、数種の農業有用遺伝子の単離も行われ、いくつかの画期的農作物がすでに商品化されている。そこで、アグロバクテリウム法によるトルコギキョウへの遺伝子導入技術の確立を試みた。

その他 平成10年(1998年)南信試

コウリュウ(蒿柳)の増殖・栽培法と天蚕飼育

天蚕飼料樹としてのコウリュウの利点は、挿し木による発根性や生長性が優れており、クヌギと比べ短期間の促成飼育林の造成が可能で多回育に対応した収穫体系が容易にできるということと、クヌギと比べ春の発芽が早いことから天蚕の早期掃立てによる天蚕繭の安定生産が見込まれることなどがあげられる。そこでコウリュウの挿し木による増殖・栽培法と天蚕への適用手法を確立し、優良天蚕繭の安定生産に資する。

その他 平成10年(1998年)南信試

天蚕微粒子病防除のための消毒薬剤

天蚕の主要病害の一つである微粒子病防除のためには、採卵にあたっての母蛾検査と感染源の除去を行う必要がある。微粒子病蚕の蚕糞や病死蚕中には微胞子虫胞子が多量に含まれ、飼育場が汚染されることで新たな感染源となる。そこで、天蚕から分離された微粒子病原虫(微胞子虫)胞子について、家蚕で一般的に用いられている消毒薬剤に対する感受性を調査し、本病防除のための消毒手法を確立する。

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農業関係試験場について

長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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