研究情報

研究成果『試験して得られた技術事項』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「試験して得られた技術事項」の研究内容とその成果をご紹介します。

野菜・花き・きのこ・その他 平成10年(1998年)農総試

乗用管理機利用によるキャベツ栽培の機械化作業体系モデル

長野県の野菜生産は露地栽培の結球性野菜が生産額の半分を占めており、最重要品目である。一方、生産基盤は生産者の高齢化等により脆弱となっており、安定生産と市場シェアの確保には省力化や低コスト生産が求められている。そこで、キャベツの低コストで効率的な機械一貫利用システムを組み立て、生産力の増強を図る。

その他 平成10年(1998年)農総試 野菜花き試

小型トラクタに施肥機(ジョーニシ式サンソワーRS100G)、土壌消毒機(佐野式P2-F1-MDV)、平畦マルチャー(佐野式DV15RM)をセッ卜して作業すれば、平畦マルチの畦内大量施肥・土壌消毒が一行程でできる。

大量な施肥量を必要とするセルリー栽培などの施肥量削減栽培技術に対応する畦内施肥および連作障害に対する土壌消毒作業を省力的に行うため、各種作業機の組合わせによる一行程作業機の性能を検討し普及の資とする。

その他 平成10年(1998年)農総試

小型トラクタと既存の全面マルチャーに施肥機(ジョーニシ式サンソワーRS100G)、土壌消毒機(八雲式YSP-8023)をセットして作業すれば全面マルチ栽培の畦内施肥(条施肥、局所施肥)と土壌消毒が一行程でできる。

葉菜類の全面マルチ栽培において、既に普及に移された2作1回施肥法、施肥量削減のための畦内施肥法、畦内土壌消毒法などの技術に対応する作業機を開発し、既存技術の普及拡大と省力化を図る。

作物・その他 平成10年(1998年)農総試

大型産業用無人ヘリコプター(ヤマハR-MAX)は水稲栽培における種子・除草剤・農薬散布に加え、追肥散布作業も可能である。

水稲栽培における産業用無人ヘリコプターは、①排水溝切り、②カルパーコーティング種子散布、③除草剤(粒剤・フロアブル剤)散布、④液剤少量散布などに使用されている。今までの産業用無人ヘリコプター(以後RCヘリと略)は資材積載能力が12㎏程度であったが、新機種の大型RCヘリでは24㎏と約2倍に増強された。搭載能力が小さな場合は肥料など多量散布が必要な資材は散布対象外としていたが、大型RCヘリでは肥料散布も可能である。RCヘリの作業用途を拡大することにより高度利用を促進し、運用コストの低減を図る。

果樹・その他 平成10年(1998年)農総試 果樹試

りんごのショートサイクル栽培技術導入による大苗移植は、育成期間の短縮及び育成価の低減ができる。

本県で普及率の高いマルバカイドウとわい性台木を用いたふじは樹勢が強く4m以上の樹高となっている。そのため、省力化の達成が不十分な状態である。加えて、過繁茂により受光率が悪化し、品質・収量の低下を招いている。このような問題があるにもかかわらず、園地を改植するとその後2~3年間は結実がなく、収益が上がらないため、園地更新をためらう農家が多い。わい性樹の経済寿命について定説はないが、近年収量と品質のバランスのとれたリンゴの生産が可能な樹齢はおよそ15年生までと考えられている。そこで、15年程度を1サイクルとする「ショートサイクル栽培」について、園地の育成価と早期性の部分について検討し、園地更新及び更新方法についての参考資料とする。

畜産 平成10年(1998年)畜試

bmr遺伝子を導入した高消化牲ソルガム「葉月」は、年2回の収穫とロールベール・ラッピング体系によるサイレージ調製が可能である。

ソルガムの2回刈りとロールベール・ラッピング体系による収穫・調整を目的として、茎葉部の柔軟な高消化性ソルガム「葉月」の利用を検討する。

畜産 平成10年(1998年)畜試

「天高」と「風立」を”10:90”の割合で混播栽培すれば、「風立」並の耐倒伏性を推持したまま乾物収量の増加が期待できる。

ソルガムの単位面積収量の増加と耐倒伏性の向上の両立を図るため、乾物生産性に優れる「天高」と耐倒伏性に優れる「風立」の混播栽培による安定多収栽培法を開発する。

畜産 平成10年(1998年)畜試

日本鶏交雑ブロイラーの脂肪蓄積量は、250kcal/kg程度のME水準の差には影響されず、交配様式及び性に強く影響される。

日本鶏交雑ブロイラーは地鶏ブームを背景に根強い需要があるが、一般ブロイラー同様脂肪蓄積量が高まる傾向があり、高品質肉用鶏のイメージを損ないかねない。そこで、シャモ×白色プリマスロック及びシャモ×(劣性白×ロードアイランドレッド)を用いて脂肪蓄積量への交配様式、飼料ME水準、性等の影響を検討した。

畜産 平成10年(1998年)畜試

採卵鶏における18週齢時からの間欠照明法の適用は、産卵牲を損なわず、電力費及び飼料費節減効果が高い。

ウインドレス鶏舎における低コスト飼養管理法の一貫として間欠照明法が実用化段階にある。間欠照明法は電力費の節減効果以外にも最近では、生存率及び飼料要求率の改善等が報告されている。そこでウインドレス鶏舎における低コスト飼養管理法を確立することを目的として間欠照明法と飼料の粗蛋白水準を組み合わせ比較検討を行った。

畜産 平成10年(1998年)畜試

自然拡散式ガス測定管(ドジチューブ)を利用することにより家畜ふん尿の臭気を簡易に測定できる。

畜産業に関する公害苦情では、悪臭に関するものが大変多い。悪臭の低減には、臭気発生量の把握が必要である。しかし、農家自身、自分の農場からどの程度の臭気が発生しているか、随時確認することは難しい。また、現在の臭気測定で最も一般的な方法として、北川式ガス検知器による測定がある。この方法は、検知吸引器の価格が高く、濃度が低い臭気の測定に多大な時間を要することがあるなどの問題点もある。専用器具を必要としない簡易臭気測定法として、自然拡散式ガス測定管(商品名:ドジチューブ、(株)ガステック製)がある。これは、米国で公定法として認められている方法で、ガスの自然拡散を利用して、長時間の平均気体濃度を測定するものである。そこで、ドジチューブによる簡易臭気測定法について検討した。

畜産 平成10年(1998年)畜試

豚の周排卵期における深部膣内電気抵抗性の変化と血中性ホルモン濃度の動態

豚の人工授精技術の改善に伴い、その利用率が高まっているが、発情および授精適期の判定には経験(技術)と労力が要求される。豚の授精適期を、試情に頼ることなく簡易かつ的確に把握できることは、種豚管理および人工授精実施上、その省力化にとって極めて有益であると考えられる。また、豚の子宮頚管および腟粘液の分泌量とその性状は、発情周期において変化することが知られている。そこで、熟練者でなくとも豚の授精適期を簡易に判定する技術確立を目的に、深部腟内電気抵抗値(VER値)の測定による方法を検討した。

畜産 平成10年(1998年)畜試

黒毛和種子牛の人工哺乳(5週齢離乳、6週齢離乳)により自然哺乳と同等の発育成績が得られた。

乳牛では子牛の早期離乳法が確立しているが、黒毛和種では確立されていない。一方、近年受精卵移植技術の進展により、黒毛和種のET産子が増加し、黒毛和種においても早期離乳技術が強く求められるようになってきた。そこで黒毛和種産子の早期離乳哺育育成技術を開発するため、発育及び疾病等に及ぼす影響を検討した。

畜産 平成10年(1998年)畜試

搾乳ロボットのフリータイム搾乳実験において泌乳牛が自発的に搾乳ストールに入る回数は1日平均5.6回であった。

酪農の飼養管理作業の中で搾乳作業は重労働でしかも拘束性の高い労働である。搾乳作業の省力化の究極は搾乳ロボット利用による無人搾乳である。一方、搾乳ロボットを活用するためには牛が自発的に搾乳ストールへ入室することが前提となる。そこで、試作搾乳ロボット(MAT7株式会社MAT製)を使って、乳牛を24時間フリ-の状態において、搾乳ストールへの入室状況を検討した。

畜産 平成10年(1998年)畜試

乳牛におけるオーチャード主体牧草サイレージ・チモシー乾草・アルファルファ乾草及びイネワラの第一胃内分解特性

近年、乳牛の飼料設計は詳細に検討されている。例えば蛋白ではSIP(溶解性蛋白),DIP(第1胃分解性蛋白),UIP(第1胃非分解性蛋白)に分けてそれぞれの適正な量を検討したり、炭水化物ではNFC(非繊維性炭水化物)やNSC(非構造性炭水化物)を用いた検討がされている。さらに、個々の成分の消化速度をパラメータとして取り入れる飼料設計ソフトウエアも出始めている。しかし、これら飼料特性データは測定例が少なく実際に飼料設計に取り入れたくともできないのが実状である。そこで、今回は飼料設計の参考となるよう粗飼料4種類について第1胃分解性や消化速度,消化管の通過速度などの飼料特性を調べる。

野菜・花き・きのこ・その他 平成10年(1998年)南信試

こんにゃくの優良品種「みょうぎゆたか」の特性

群馬農試で育成された、こんにゃくの優良品種「みょうぎゆたか」の本県における適応性および特性を明らかにする。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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