研究情報

研究成果『試験して得られた技術事項』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「試験して得られた技術事項」の研究内容とその成果をご紹介します。

果樹・病害虫 平成16年(2004年)果樹試

冠水被害を受けたりんご果実は疫病および内部褐変障害が発生する

平成16年10月19~21日にかけて接近,通過した台風23号により千曲川が増水し,流域付近のほ場では冠水被害が生じた。冠水被害を受けたりんご果実では,樹上だけでなく収穫後にも疫病が発生した。冠水後の殺菌剤散布では疫病の発生が減少することはなかった。また,樹上および貯蔵後の外観上健全な果実であっても心室周囲の果肉組織が褐変する障害が発生した。

作物・病害虫 平成16年(2004年)農事試

カメムシの加害による斑点米発生に影響する要因

斑点米発生には品種間差が認められ、割れ籾発生程度が影響している。また、水稲の出穂時期がアカヒゲホソミドリカスミカメの成虫発生盛期と重なった場合、斑点米が増加する。

土壌肥料 平成16年(2004年)野菜花き試

コーンコブを主体とする堆肥化前エノキタケ廃培地の土壌中での炭素と窒素の分解

コーンコブを主体とする、堆肥化前のエノキタケ廃培地の埋設法による分解率は、4ヶ月後では、黒ボク土の炭素で65%、窒素で25%、灰色低地土の炭素で75%、窒素で50%である。また、黒ボク土では、埋設1ヶ月までの窒素分解率が低い。

土壌肥料 平成16年(2004年)中信試

牛ふん堆肥に含まれる物質によるミニトマトの生育異常

現地で発生したミニトマトの生育異常(生長点の奇形)の原因は、特定ロットの牛ふん堆肥、あるいはそれに含まれる物質によるもので、堆肥の多施用が助長要因である。その発生には品種間差異が認められる。また、粒状活性炭の土壌混和処理による発生防止が期待できる。

土壌肥料 平成16年(2004年)野菜花き試

レタスの硝酸イオン濃度測定における試料の保存方法が測定値に与える影響

RQフレックスを用いたレタスの硝酸イオン濃度測定において、試料現物では冷蔵保存で1週間程度ではほとんど変化しない。試料液では冷蔵保存で2日間、冷凍保存で6か月程度であればほとんど変化しない。

土壌肥料 平成16年(2004年)野菜花き試

レタス輪作体系における輪作作物の養分吸収特性に基づく分類

同一圃場で栽培した緑肥を含む9種類の輪作作物の、窒素、リン酸、カリ、石灰、苦土吸収量を、レタスの吸収量に対する比率で分類した。本情報は、土壌残存養分量を考慮した輪作作物の選定や施肥設計に利用できる。

土壌肥料 平成16年(2004年)果樹試

あんずのホウ素欠乏症の早期の診断に適した部位と時期

あんずのホウ素欠乏症を早期に診断する部位として新梢が適し、診断時期は満開期2~3週間後頃がよい。

土壌肥料 平成16年(2004年)果樹試

果樹への硫酸マンガン溶液の葉面散布においては生石灰を加用しない

りんご・もも・ぶどうについて、5月下旬から6月下旬での硫酸マンガン溶液単用の葉面散布では濃度障害は認められなかった。等量の生石灰を加用した硫酸マンガン溶液は、散布後は黒変し著しい汚染となるため、生石灰の加用は行わない。

畜産 平成16年(2004年)畜試

エンバク早生種「サビツヨシ」は、冠サビ病に強く、8月上旬播種もできる

エンバク早生品種「サビツヨシ」は、飼料用エンバクの播種適期である8月下旬に播種し、年内に収穫する夏播用栽培(以下:年内作型)より早播きした場合、冠さび病による枯れ上がりが少なく、糊熟期まで登熟するため乾物率が高く乾物収量も高い。

畜産 平成16年(2004年)畜試

フレール型飼料イネ収穫機で収穫・調整した発酵品質良好なソルガム類のロールベールサイレージ

ソルガムおよびスーダングラスをフレール型飼料イネ収穫機で収穫・調製するとダイレクトカット体系、予乾体系ともに慣行のモア・カッティングロールベール方式と比較して、乳酸発酵が促進されて良質なロールベールサイレージ調製できる。

畜産 平成16年(2004年)畜試

ソルガム収穫後のライムギ作付けによる土壌中の硝酸態窒素低減効果

ソルガム収穫後にライムギを作付ける1年2作は、ソルガム単作と比較して年間の窒素吸収量が多く、未回収窒素量(施肥窒素量-作物体窒素吸収量)が少ない。家畜ふん堆肥を多量に施用した場合を除き、冬期間に採水した土壌溶液に含まれる硝酸態窒素の濃度が低下し、土壌下層へ移行する硝酸態窒素を減少させる効果が期待できる。

畜産 平成16年(2004年)畜試

ソルガムとライムギの散播栽培における不耕起播種・ロータリ表層攪拌技術

ソルガムとライムギの散播栽培において、前作収穫後の不耕起跡地で、化学肥料と種子を散布した後、ロータリで表層攪拌する方法は、前作収穫後に耕起作業を行う慣行法に比較して、作物の生育や収量に影響することもなく省力的である。

畜産 平成16年(2004年)畜試

高消化性ソルガム「葉月」の密条播栽培技術

高消化性ソルガム「葉月」の密条播栽培(条間23cm)における播種量は5kg/10a程度が適当である。また、本栽培法は散播栽培に比較して密植による雑草抑制効果が低いため、播種直後、除草剤(土壌処理剤)の散布が必要である。

畜産 平成16年(2004年)畜試

食品加工副産物を原料とした豚肥育用発酵飼料は、市販配合飼料と同様に肥育豚の良好な発育が得られる

食品加工副産物を原料とした豚肥育用発酵飼料は、市販配合飼料を給与した場合と同様に良好な発育が得られ、飼料摂取量を乾物換算して算出した飼料要求率も差は認められなかった。

畜産 平成16年(2004年)畜試

乳牛の排卵同期化・定時人工授精と通常人工授精との妊娠率には差はない

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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