研究情報

研究成果『野菜・花き・きのこ』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「野菜・花き・きのこ」の研究内容とその成果をご紹介します。

普及技術 平成14年(2002年)野菜花き試験場

アスパラガスの改植時に粒状活性炭:HJA40Yを処理することによりアレロパシーを軽減できる

アスパラガスの改植時にみられるアレロパシー対策として粒状活性炭:HJA40Yは有効であり、定植前に散布し、耕起後に定植すると改植後の生育促進効果が高い。

試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)野菜試

育苗期後半の苗箱への薬剤灌注処理によるキャベツのコナガ防除

キャベツのコナガ防除では,定植時に粒剤を植穴土壌混和処理することで約1か月間密度を抑制することが可能である.しかし,1株ごとに所定の薬量を計りとって処理する必要があるため,非常に労力がかかり,正確な処理量が投入されない場合が多い.自動定植機を使った場合,アタッチメントを装着することで自動的に植穴処理が出来るが,その普及率は低い.したがって,粒剤の具備する防除効果が出ないため,現状では粒剤を植穴処理しても定植1週間後くらいから散布剤による防除が行われている.そこで粒剤の処理方法を簡便化するため,育苗期後半にセル成型育苗トレーに粒剤を株元処理する方法で農薬登録を促進した.しかし,粒剤を均一に処理することが難しいことから,さらに簡便で効果の高い新たな薬剤処理方法を開発する.

試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)野菜試

花き類からのINSV県内初検出と簡易診断

INSV(Impatiens necrotic spot virus)は極めて多犯性で、広範囲な草花・花木類・観葉植物に感染し、海外では花き類を中心に34科の植物で被害が報告されている花きの重要病害である。またミカンキイロアザミウマによって媒介され、媒介虫のもつ薬剤抵抗性、ウイルス伝搬効率の高さ、宿主範囲の広さから、最も警戒を要するウイルスと考えられている。そこで、本県における発生を確認するとともに、生産現場で簡易に診断できる方法について検討する。

試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)野菜試

セルリー萎黄病に対する熱水土壌消毒法の適応性その2

Fusariu moxysporumによって引き起こされる萎黄病は、セルリー栽培において最も深刻な生産阻害要因となる土壌伝染性病害である。現状、産地では、クロルピクリンによる土壌消毒で防除しているが、本剤は処理時の作業者に対する刺激が強いことから代替薬剤や耕種的防除方法の要望が強い。近年、農林水産省農業研究センターにより開発された熱水を利用した土壌消毒法は、トマト萎凋病やホウレンソウ萎凋病等のフザリウム菌による土壌病害に対する防除の有効性が明らかにされている。そこで、熱水土壌消毒法のセルリー萎黄病に対する適応性について検討する。

試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)野菜試

スイカ炭腐病(仮称)菌、Macrophominaphaseolinaの寄主範囲

日本国内のウリ科野菜で初発生したスイカ炭腐病(仮称)は、多犯性植物病原菌であるMacrophomina phaseolinaによって引き起こされる土壌伝染性病害であることが明らかとなった。今のところ発病面積は少ないものの,本病原菌は典型的な多犯性土壌病原菌であり、休耕地に作付する作物や輪作作物の選定には注意を要する。そこで、本病菌の寄主範囲について検討し、防除対策の資料とする。

試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)野菜試

レタス斑点細菌病の病徴判別法

レタス斑点細菌病は近年発生が増加しているが、外葉葉縁部が褐変する症状は斑点細菌病菌が関与するものと生理的要因によるものがあり、診断に迷う場合がある。そこで斑点細菌病と、斑点細菌病以外の要因による葉縁部褐変症状の違いを明らかにし、効率的防除の資とする。

試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)野菜試

スライド凝集反応を利用したスイカ果実汚斑細菌病菌の検出法

平成11年に本県における初発生が確認されたスイカ果実汚斑細菌病は、今後も再発生する可能性がある。発生を確認するためには正確な診断が必要だが、本病の葉における病徴は生理障害や褐斑細菌病と類似する場合があり、現場で適用できる簡易な検定技術が必要である。そこで農業技術研究機構野菜茶業研究所で開発された感作液を用い、本病菌Acidovorax avenae subsp. citrulli(Aac)のスライド凝集反応法による検出技術を検討する。

試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)野菜試

培地によるレタス根腐病菌のレース判別法

レタスから分離したF.oxysporum f.sp. lactucaeには2つのレースが存在するが、レース判別には従来多くの時間および労力を要する接種試験を行う必要があった。本病菌のレース1とレース2では、レースに特異的な栄養要求性の差が認められたことから、その性質を利用した簡便なレース判別法を開発し、抵抗性品種の効率的利用をはかる。

試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)野菜試

ぶなしめじ「長菌11号」の栽培特性

育種目標は、短期熟成・高収量・高品質・苦味がない良食味の品種の作出を目指す。

試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)野菜試

子実体直接凍結維持法によるエノキタケの種菌製造

エノキタケの種菌の維持・増殖法としては、現在、寒天培地による植え継ぎ法やオガコ・コメヌカ標準培地による継代法、液体窒素を用いた超低温保存法が行なわれているが、何れも変異の危険性や、操作の難しさ、機材の維持などの課題を抱えている。そこで、子実体の特性を確認しながら、簡便かつ安定的に種菌の維持・増殖が可能な技術として森林総合研究所により報告された子実体直接凍結維持法の実用性を検討する。

試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)野菜試

エリンギ立ち枯れ症状の軽減対策

エリンギ栽培において、現地では導入後数回転すると生育前期に子実体が萎縮する立枯れ症状の被害を受け、栽培を断念する事例が多い。立枯れ症状には種菌に起因するものと、栽培環境の悪化に起因するものがあると考えられている。ここでは、栽培環境の悪化に起因すると考えられるエリンギの立枯れ症状が発生した際の技術対応として、生育室浄化と芽出し室設置の効果を検討する。

試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)野菜試

菌茸施設環境殺菌剤「ゼネシス21」の効果

菌茸施設環境殺菌剤「ゼネシス21」(㈱ニッショー)のきのこ病害菌に対する効果を調べるとともに環境浄化の効果を確認する。

試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)南信試

NK毛管水耕によるスイートピーの早期切り花栽培

NK毛管水耕は現在野菜で普及しているが、組み合わせ作物の選択肢を広げるために、野菜以外で適応する品目を開発することが求められている。一方、本県で拡大しつつあるスイートピーの早期切り栽培は生育初期が高温期にあたることから、連作土壌では株落ち、生育不良などの問題を抱えている。そこでこれらの問題を解決するため、NK毛管水耕の適応性を検討する。

試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)農事試

切り花用りんどう「交227」の特性

本県での栽培に適する優良系統を育成する。

試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)野菜試

小輪アスターの摘心栽培における秋出荷技術

小輪アスターは、従来のアスターに比べ小輪多花性で洋花とのアレンジにも適するため年間を通して需要があり、近年栽培が増加している。秋出荷では、自然条件では早期開花しやすい点、草丈が短くなり商品価値が著しく劣る点が大きな問題であったが、既に、種子で販売されている品種について無摘心栽培を行い、定植時からの電照により、秋出荷栽培の良品生産が可能となっている。しかし、購入苗を利用する場合にはコスト面から、摘心して1株から数本の切り花を収穫する必要がある。そこで、購入苗について摘心栽培を行い、電照による秋出荷作型における切り花品質の向上を図る。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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