研究情報

研究成果『技術情報』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「技術情報」の研究内容とその成果をご紹介します。

果樹 令和2年(2020年度)南信農業試験場栽培部

日本なし「南農ナシ6号」の育成

9月上~中旬に収穫できる大玉で高糖度、良食味の中生の赤なしとして「南農ナシ6号」を育成した。「南農ナシ6号」は黒斑病に抵抗性、黒星病には耐病性で無袋栽培が可能であり、短果枝の花芽維持が良好で栽培しやすい。

令和2年(2020年度)果樹試験場栽培部

台木品種「払子(ほっす)」を用いたもも「あかつき」の樹体生育と収量性

台木品種「払子」を用いたもも「あかつき」は、おはつもも台木樹と比較して、凍害による枯死が少なく、若木~成木(定植後4~13年目)の樹高、樹冠面積はやや小さかった。1樹当たりの収量は若木期(定植後4~11年目)で少なく、以降同等となり、16年目までの累積収量は92%とやや少なかった。果実品質には差がみられなかった。

果樹 令和2年(2020年度)果樹試験場栽培部

りんご(高密植栽培)主要品種における被覆資材「果樹用サンサンネットすっきりネット」の被覆による日焼け発生軽減効果

「果樹用サンサンネットすっきりネット」の被覆は、りんご「シナノリップ」、「つがる」、「秋映」、「シナノスイート」の日焼け発生を軽減したが、「シナノゴールド」、「ふじ」では判然としなかった。

果樹 令和2年(2020年度)果樹試験場栽培部、農業試験場企画経営部

りんご高密植栽培における収穫方法の違いが作業時間と果実品質に及ぼす影響

りんご「シナノスイート」、「シナノゴールド」、「ふじ」の高密植栽培における樹の上部と下部を分けた一斉収穫(以下上下収穫)は、着色が良好な果実を選びながら収穫する方法(以下選り収穫)と比較して、単位面積当たりの収穫作業時間、単位収量当たりの作業時間が減少する。しかし、上下収穫により収穫された果実は、選り収穫した果実と比較して、着色が良好な果実の割合が減少する。

果樹 令和2年(2020年度)果樹試験場栽培部

りんご「ふじ」、「シナノスイート」の開花状況と石灰硫黄合剤散布による落花の程度

りんご「ふじ」、「シナノスイート」は、頂芽花中心花の花弁の脱落が観察され、側花の花弁が完全に開いた花と花弁が脱落した花の割合が約70%に達する時に石灰硫黄合剤を散布すると、中心花の落花が少なく、側花の落花が多くなる。この生育ステージは、満開1日後から満開2日後である。

果樹 令和2年(2020年度)果樹試験場栽培部、農業試験場企画経営部

りんご高密植栽培における着色管理回数の削減が作業時間と果実品質に及ぼす影響

高密植栽培の「シナノスイート」及び「ふじ」では、慣行の2回葉摘みを1回に削減することにより、単位収量当たりの作業時間は「シナノスイート」で1~3割、「ふじ」で2~4割削減されるが、果皮色はやや劣る果実が増加する。

作物 令和2年(2020年度)農業技術課、農業試験場作物部・環境部

食味・収量情報支援コンバインと連動した乾燥システムは、タンパク質含有率に応じた仕分け乾燥調製が可能である

食味・収量情報支援コンバイン、及び連動した乾燥システムを利用することで、収穫時に水分・収量・タンパク質含有率の情報を把握することができ、品質に応じて区分した乾燥調製が可能である。

作物 令和2年(2020年度)農業試験場作物部、農業技術課、松本農業農村支援センター

スマート水管理システムの水管理労働力削減効果

スマート水管理システム「WATARAS」、「PaddyWatch」は水稲の水管理の省力化が可能である。いずれも水管理に出向く回数が削減されることで、「WATARAS」は80%程度、「PaddyWatch」は15%程度の省力化が見込まれる。また、慣行水管理と同等の収量を確保できる。

作物 令和2年(2020年度)農業試験場作物部・企画経営部、農業技術課

直進自動操舵、株間制御、施肥量制御機能を有する高機能田植機は、非熟練者でも精度の高い移植作業が可能である

直進自動操舵、株間制御、施肥量制御機能を有する高機能田植機は、株間のばらつきが小さく、植え付け精度が高く、施肥量のばらつきが小さく、施肥精度が高く、非熟練者でも精度が高い移植作業が可能である。

作物 令和2年(2020年度)農業試験場作物部、農業技術課

自動運転トラクタを用いた効率的な2台協調作業

作業者1人で、自動運転トラクタと有人トラクタを用いて行う2台協調の耕起・代かき作業は、オペレータ作業の時間短縮が図られ、効率的である。

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病害虫 令和元年(2019年)野菜花き試験場佐久支場

レタス黒根病に対する感受性の品種間差

レタス黒根病に対する感受性には品種間差が認められる。感受性が低い品種として、「パスポート」、「ファンファーレ」、「ルシナ8」、「バレイ」などがある。

病害虫 令和元年(2019年)野菜花き試験場環境部、佐久支場、農業技術課

「コナガコン-プラス」ロープ状製剤は設置・回収が容易な交信かく乱剤である

「コナガコン-プラス」ロープ状製剤は設置・回収が容易で、ツインチューブ製剤と効果は同等だが設置時間が短く、コナガが加害するアブラナ科野菜やオオタバコガが加害するレタス等の防除上有用である。

病害虫 令和元年(2019年)野菜花き試験場環境部、農業技術課

「信州の伝統野菜」のばれいしょ「下栗芋」から検出されるウイルス種

地域特産野菜の「下栗芋」からは、ジャガイモYウイルス(PVY)が広範囲に検出され、その際の病徴は「葉のえそ」及び「退緑」などである。

病害虫 令和元年(2019年)野菜花き試験場環境部、農業技術課

高温条件下でのきゅうりのモザイク病による収量低下とワクチン苗の防除効果

これまで県下のきゅうりでは、キュウリモザイクウイルス(CMV)とスイカモザイクウイルス(WMV)が感染しても収量への影響が少なかったが、今後、夏季の高温化が進むと両ウイルスの重複感染で収量が低下する可能性がある。モザイク病はワクチン苗の利用により被害の軽減が期待できる。

病害虫 令和元年(2019年)南信農業試験場栽培部

カキ円星落葉病防除に有効なジマンダイセン水和剤の散布時期

ジマンダイセン水和剤600倍液を6月下旬から7月上旬に1回散布すると、カキ円星落葉病を効率的に防除できる。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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