研究情報

研究成果『技術情報』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「技術情報」の研究内容とその成果をご紹介します。

果樹 平成29年(2017年)果樹試・栽培部

長野県における今世紀中盤の温暖化を想定した気温条件で栽培したりんご「ふじ」の定植4年目の樹体生育及び果実品質

長野県における今世紀中頃(2046~2065年)の温暖化を想定した気温条件で栽培した定植4年目のりんご「ふじ」は、現在(平成29年)の気温条件で栽培された「ふじ」と比較して、発芽期や開花期が前進し、樹体生育が旺盛となった。11月下旬の果実品質は、果実横径が大きくなる傾向がみられ、果実重が重くなり、果皮色、糖度、酸含量、硬度及びみつ入りが低下し、青実果の発生が増加した。

果樹 平成29年(2017年)果樹試・栽培部

りんごの高密植栽培(トールスピンドル)における「シナノリップ」M.9台木樹の樹間距離と定植後5年目までの収量、果実品質及び樹体生育

りんご「シナノリップ」の2年生フェザー苗木を列間4m、樹間0.9mで定植すると、定植後5年目の10a当たり換算収量は2.9トンとなる。樹間0.6mでは、樹冠内部の果実は着色が劣り、収穫が遅れる。また、樹幅と幹断面積は樹間が狭くなるほど小さい。

果樹 平成29年(2017年)農試・企画経営部、果樹試・栽培部

りんご「ふじ」M.9台木樹の栽培様式が収量性と主要作業時間に及ぼす影響

定植7年目における樹間1.0mのトールスピンドルの10a当たりの収量は5.0tで、樹間2.0mの新わい化栽培の1.7倍、主要作業時間は181.3時間で、1.5倍であった。また、定植5~7年目における収量1t当たりの主要作業時間は、栽培様式による大きな差はみられなかった。

作物 平成29年(2017年)農試・企画経営部、農業技術課

水稲の代かき、収穫作業におけるビデオ、テキスト等の学習教材を用いた農作業ノウハウの継承を補助する簡易マニュアル

ビデオ映像及び聞取り調査により農作業の知識・技術・技能・暗黙知といった農作業ノウハウを抽出し、学習教材を作成する簡易マニュアルを作成した。

作物 平成29年(2017年)農試・作物部、農業技術課

麦作におけるカミツレの発生消長と晩播による防除効果

カミツレの発生は、麦の標準期播種では播種1ヶ月後に最大となる。麦の晩期播種によりカミツレの出芽及び残草量が大幅に低下する。

作物 平成29年(2017年)農試・育種部、作物部、農業技術課

高標高地における「信交酒545号(山恵錦)」の玄米品質に関する特徴

「信交酒545号(山恵錦)」は作付け限界標高(700~850m)付近においても玄米加工品質が優れ、良質な酒造原材料の生産が可能である。

作物 平成29年(2017年)農試・作物部

過去の実測値に基づいた温暖化に伴う県内水稲作への影響評価

水稲作期中の温暖化による気温上昇程度、気温と収量、品質の関係を評価すると共に品質低下リスクが高い地域を明示した。さらに作期移動による高温登熟回避効果について評価すると共に、県産米の品質低下要因として緊急性の高い課題を抽出した。

作物 平成29年(2017年)農試・作物部

水稲の高密度播種における慣行の播種機と田植機を用いた栽培事例

慣行播種機及び田植機での、播種量250g/箱の高密度播種、移植作業は可能である。高密度播種苗は稚苗に比べ、出穂期、成熟期がやや遅れるものの、収量や品質は同等である。

土壌肥料 平成29年(2017年)野花試・環境部

草丈伸長の品種間差を利用した越冬ライムギ鋤込み時期の拡大

ライムギが鋤込み適期となる草丈30cmに到達する時期は品種間差があり、これを利用して鋤込み時期に幅を持たせることで、後作レタス栽培における作業労力の分散が可能となる。

果樹 平成29年(2017年)農試・企画経営部

M.9台木の生産方法「横伏せ取り木法」、「接ぎ木盛り土法」における労働時間、及び生産費

M.9台木採取本数1,000本当たりの作業時間、生産費は、横伏せ取り木法で23.3時間、48千円、接ぎ木盛り土法で33.1時間、81千円である。

作物 平成29年(2017年)農試・企画経営部

農作業用ウインチ型パワーアシストスーツ「クボタ WIN-1」装着時のコンテナ運搬作業における表面筋電位信号及び心拍数の測定事例

農作業を模したコンテナ運搬作業において、農作業用ウインチ型パワーアシストスーツ「クボタ WIN-1」の装着時は、非装着時と比較して、前腕、上腕、肩において表面筋電位信号が小さくなり、また、心拍数の上昇が小さくなる傾向がみられ、労力軽減効果の可能性がみられた。

果樹・病害虫 平成28年度(2016年度)果樹試験場環境部

りんごのわい化栽培園におけるナミハダニの発生傾向

りんごのわい化栽培園は普通樹の園地と比較しナミハダニの発生時期が早く、発生後の増殖も著しい傾向がある。

果樹・土壌肥料 平成28年度(2016年度)果樹試験場環境部

クローバーが混在する樹園地草生の刈草中窒素含有量の推定法

クローバーが混在する樹園地草生の刈草が含有する窒素量は、クローバーの平均草丈とクローバーの占有面積比の積(クローバーインデックス、CI)を用いて推定できる。

果樹 平成28年度(2016年度)果樹試験場育種部、栽培部

りんご早生品種「リンゴ長果25」の収穫適期判定基準

「リンゴ長果 25」において、果実の地色と食味は一定の関係が認められ、食味の良い果実が収穫できる目安は、満開後 100 日以降で、果実の地色が『ふじ用果実カラーチャート(地色)』(農林水産省果樹試験場作成)で指数4~5である。

果樹 平成28年度(2016年度)果樹試験場育種部・栽培部

プルーン「オータムキュート」の収穫適期判定基準

プルーン「オータムキュート」の収穫適期は満開後 150 日頃で、果皮色が陽光面、陰光面ともに青紫色となった果実を収穫する。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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