信州生まれの夏秋いちご「サマーリリカル」開発ストーリー

~暑さに負けない新しい味の秘密~
皆さんがよく知るいちごは、冬から春にかけて旬を迎えますが、夏に収穫されるいちごがあるのをご存じですか?
長野県が開発したオリジナル品種、四季成り性いちご「サマーリリカル(2021年品種登録)」は、暑さに強く、夏でもたくさんの実をつける新しいタイプのいちごです。今回は、その開発に携わった江原主任研究員に、誕生の裏側と品種の特徴について聞きました。
★夏にいちごが採れる「夏秋いちご」とは?
私たちが普段食べているいちごの多くは、日が短く涼しい季節に実をつける性質を持っています。そのため、冬が旬のフルーツというイメージが強いのです。
一方、一部のいちごは、日が長く暖かい時期でも実をつける特別な性質(四季成り性)を持っています。この性質を活かして、夏でも収穫できるように改良された品種を「夏秋(かしゅう)いちご」と呼びます。
★欠点を克服するために生まれた「サマーリリカル」

長野県では、20年ほど前に最初の夏秋いちご「サマープリンセス」が誕生しました。この品種は味が良く、多くの実が収穫できる優れたものでしたが、病気や生育障害に弱いという課題がありました。特に、うどんこ病や、実が赤くならない「白ろう果(はくろうか)」、生長が止まる「芯止まり」といった問題が生産者を悩ませていました。
こうした課題を解決するために、改良を重ねて生まれたのが「サマーリリカル」です。
★「サマーリリカル」の3つの強み
「サマーリリカル」は、「サマープリンセス」の欠点を克服し、さらに優れた特性を持っています。
○病気に強く、生産者の悩みを解決!
「サマーリリカル」は、うどんこ病や白ろう果、芯止まりといった病気・生理障害がほとんど出ません。これにより、生産者の方は安心して栽培に取り組むことができます。
○収穫量が驚きの1.5倍!
なんと「サマープリンセス」と比べて約1.5倍も多く実が収穫できるというデータがあります。たくさん収穫できるので、より多くの人に届けることができます。
○甘みと酸味のバランスが抜群!
甘さと酸味のバランスがとても良く、風味豊かな香りが楽しめます。この質の高さは、ケーキや料理に使うプロからも高く評価されています。

★終わりなき品種改良の道
江原主任研究員は、「サマーリリカル」は優れた品種である一方で、温暖化の影響で高温障害が起こるなど、新たな課題も見えてきていると話します。
「品種育成に終わりはありません」と語る江原主任研究員は、今後も「サマーリリカル」の良さを活かしながら、温暖化にも負けない「スーパー品種」の開発を目指しているそうです。
暑い夏に涼しい信州で育った「サマーリリカル」。その新しい味を、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。










