新品種開発ストーリー

長野発!ジュース用トマト新品種「なつみのり」開発ストーリー

たわわに実る「なつみのり」

長野県は、冷涼な気候と長い日照時間という恵まれた環境で、昔からジュース用トマトの一大産地として知られています。そんな長野県から、新たなジュース用トマト専用品種「なつみのり」が誕生しました。

今回は、この品種の育成に携わった坂元技師に、開発の裏側についてお話を伺いました。


Q.「ジュース用トマト」って、普通のトマトと何が違うんですか?

収穫コンテナに詰められる「なつみのり」

私たちがスーパーでよく見かけるサラダ用のトマトとは違い、ジュース用トマトはトマトジュースやケチャップ、ピューレなどの加工品を作るためのトマトです。形や色、栄養価などが、生食用のトマトとは大きく異なります。

長野県では、昭和30年頃からジュース用トマトの栽培が盛んになり、2010年代半ばまでは全国一の生産量を誇っていました。現在も松本地域を中心に、栽培が続けられています。


Q.「なつみのり」が生まれたきっかけは?

これまで長野県では「なつのしゅん」や「らくゆたか」といった、ジュース用トマトの品種を育成し、長年活用してきました。しかし、登録から10年ほど経つと、夏の高温によって品質の課題が目立つようになりました。

たとえば、「らくゆたか」は高温に弱く、実が傷んでしまうことが増えました。一方で「なつのしゅん」は、日持ちはいいものの、栄養価が物足りないという課題がありました。

そこで、これらの弱点を克服できる、まったく新しい品種の開発に着手することになったのです。


Q.「なつみのり」のすごいところは?

なんといっても、その収量の多さと、高い栄養価です。従来の品種と同等か、それ以上の糖度とリコペンを含んでいるのが特長です。

さらに、近年増えている夏の高温による「日焼け果」(障害果)を防ぐ効果も期待できます。たくさんの葉が茂るので、自然の「日よけ」となり、大切な実を強い日差しから守ってくれるんです。


Q.これから、どんな品種開発を目指していますか?

今後は、さらに収穫量が多く、日持ちがよく、ロボットで収穫できるような、最新技術に対応した品種を開発したいと考えています。

また、地球温暖化が進む中でも安定して収穫できる、耐暑性を備えた「スーパー品種」の開発にも挑戦していきたいですね。

長野県の気候を活かし、時代のニーズに応える新品種は、これからも進化し続けます。

試験場内ほ場の様子

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